2017 Fiscal Year Annual Research Report
適応的記憶忘却メカニズムの解明―行動およびfMRIデータモデリングの活用―
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17J01808
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三好 清文 名古屋大学, 情報学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 記憶 / 意思決定 / メタ認知 / 確信度 / 精神物理学 / 信号検出理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
再認記憶現象について、信号検出理論やエビデンス蓄積理論に基づくモデリングを通じて検討するという基本方針に沿いつつ、必要に応じて研究計画の軌道修正を行った。当初は忘却によりメタ記憶がどのように変容するかを検討する予定であったが、まずはメタ記憶の計算論そのものに焦点を当てた研究を行った。すなわち、「自身の再認記憶判断が正しい確率についての信念」が如何に形成されるかについて、信号検出理論モデルに基づく推論を行った。この計算論については明確なエビデンスが得られたため、学会で報告するとともに、国際誌に研究成果を投稿した。今後は、エビデンス蓄積理論の立場から確信度計算のダイナミクスを明らかにすべく研究を発展させる予定である。以上の研究に加え、再認記憶場面における既視感の空間的生起パターンについての研究を進め、その成果をQuarterly Journal of Experimental Psychology誌にて報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画をやや修正し、意思決定・メタ記憶に焦点を当てて研究を実施した。精神物理学モデルに基づき、メタ記憶の計算論について確固たる成果を得たが、当初予定していた忘却現象についての研究ではいまだ十分な成果を得られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度はメタ記憶の計算論そのものに焦点を当てた研究を行った。今後は、この研究を発展させつつ、忘却によりメタ記憶がどのように変容するかを検討する予定である。
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