2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17J01951
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤原 良介 神戸大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | Muconic acid / Escherichia coli / metabolic engineering / fusion protein |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸菌ATCC31882株由来の代謝改変株(CFT5株)を用い,3つの経路(Pathway 1,2,3)のMA生産経路の比較検討を行った.Pathway 1及びPathway 3を導入した菌株CFT51a及びCFT53aは,培養72時間でそれぞれ1.00 ± 0.11 g/L ,1.34 ± 0.07 g/LのMAを生産した.Pathwya 2を導入したCFT52aは72時間時点では検出されなかった. MAを生産したPathway 1,3を更に強化するため,より上流の反応を触媒するAroC,AroDを,それぞれ過剰発現させた.CFT51b及びCFT53bにAroC及びAroDを過剰発現させた株をそれぞれCFT51b, CFT53bとし,発酵試験を行った.その結果CFT51bが 培養72時間で1.59 ± 0.10 g/LのMAを生産したが,CFT53bはMAが検出されなかった. 更に、代謝の分岐点となると考えられる化合物に関わる酵素を,融合酵素として発現させることでMA生産量の向上を目指した.Pathway 1では,コリスミ酸が副生成物への分岐点であると仮定し,AroCとMenFをリンカー((GGGGS)3 Linker)を用いて融合し,発現させた.またPathway 3ではデヒドロシキミ酸(DHS)が分岐点であると仮定し,AroDとAroZを同様に融合発現させた.CFT51b及びCFT53bにさらに上記の融合酵素をそれぞれ発現させた株をCFT51c,CFT53cとし,発酵試験を行った.その結果CFT51c及びCFT53cが,それぞれ3.45 ± 0.04 g/L ,1.20 ± 0.10 g/LのMAを生産した. 更にCFT51cにおいて培養24時間後にCaCO3を添加する,pH調整培養にて発酵試験を行ったところ,4.45 ± 0.12 g/LにMA生産量が向上した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子工学的手法、酵素工学的手法、発酵工学的手法等さまざまな角度からのアプローチを行った。その結果、目標生産物質であるムコン酸の生産量増大に成功しており、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
大腸菌において、より上流に位置する代謝経路を強化することでムコン酸を含むシキミ酸経路派生物の生産量増大を目指す。またベータグルコシダーゼなどの糖化酵素を発現させることにより多糖からの物質生産も検討する予定である。さらに、中央代謝付近の遺伝子破壊による代謝の変化を検証することで、目的化合物生産に有利・不利なターゲット遺伝子を探索する。
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Research Products
(6 results)