2017 Fiscal Year Annual Research Report
Quantitative elucidation of mechanism for osteoconductive induced by phosphorus-containing functional groups using polymer surface model
Project/Area Number |
17J02000
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
濱井 瞭 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | リン含有官能基 / 骨伝導性 / 骨修復材料 / アパタイト形成能 / 擬似体液 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨伝導性を示す骨修復材料は,骨欠損部に埋入すると周囲の骨組織と直接結合できる。その際,体液との反応により,材料表面に低結晶性のアパタイト層が形成され,骨芽細胞の接着・活性化に寄与するとされている。一方,リン酸基やその誘導体による骨伝導性や生分解性の付与は,骨修復材料の高機能化をもたらすと期待されている。しかし,リン含有官能基の分子構造が骨伝導性の発現に及ぼす影響は明らかでない。 そのため,本研究の初年度では,リンに結合する元素の置換が,擬似体液(SBF)環境下における表面状態の変化とアパタイト形成挙動に与える効果を解明することを目的とした。SBFとは,ヒト血漿と無機イオン濃度がほぼ等しい溶液である。また,実験にあたり,-C-PO3H2型または-O-PO3H2型のリン酸基を同量修飾した高分子表面モデルを作製した。 各表面モデルをSBFに浸漬した結果,-O-PO3H2型で修飾した表面のみが,アパタイトを形成することが明らかとなった。また,両モデルの表面電位は,Caイオンの吸着により負から正に変化した。しかし,SBF中のリン酸水素イオンを吸着し,アパタイトの前駆体(CaHPO4)を形成したのは,-O-PO3H2で修飾した表面のみであった。一方,生理学的条件下における,Caイオンとの結合の熱力学的安定性は,-C-PO3Ca>CaHPO4>-O-PO3Caという関係にあった。このことから,表面の-O-PO3H2に結合したCaイオンは,リン酸水素イオンと反応して前駆体を形成する際に,自由エネルギーの減少をもたらすことができるため,アパタイト形成に至ったことが示唆された。 以上の結果から,Caイオンとの結合安定性が低い分子構造のリン含有官能基が,表面で誘起されるアパタイト形成に有利であることを見出した。このような傾向が,骨伝導性を発現する材料表面の設計指針の1つとなり得ると考えられる。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(5 results)