2017 Fiscal Year Annual Research Report
心血管疾患治療への応用を目指した新たなTrkBアイソフォーム機能の解明
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17J02328
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
大谷 紘資 北里大学, 獣医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 心血管疾患 / 脳由来神経栄養因子(BDNF) / TrkB(NTRK2) |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトおよびモデル動物の心血管疾患において、脳由来神経栄養因子(BDNF)とその受容体であるtyrosine receptor kinase B (TrkB)の発現動態が変化することがこれまでに報告されている。TrkBには機能の異なる様々なアイソフォーム(TrkB Fl, T1, T2)があるが、それぞれのアイソフォームが心血管系疾患においてどのような役割を持つのかはほとんど分かっていない。これまでにラット腸間膜動脈平滑筋細胞におけるTrkB T1遺伝子ノックダウンが細胞生存性を低下させることを明らかにした。平成29年度はまず、①T1以外のアイソフォームの腸間膜動脈平滑筋細胞における機能を解析したが、FLとT2遺伝子ノックダウンはいずれも大きな影響を及ぼさなかった。続いて、②正常ラットの全身臓器におけるTrkBアイソフォーム発現を解析したところ、いずれもほぼ脳に局在していた。さらに脳を5つの領域(大脳皮質・小脳・脳幹・視床下部・海馬)に分けて発現解析を行ったところ、TrkB FL mRNA発現は大脳皮質で高く、脳幹で低かった。TrkB T1 mRNA発現は視床下部で高く、小脳で低かった。また、TrkB T2は概ねTrkB FLと同様の発現分布を示したが、大脳皮質より小脳における発現が高かった。以上より、脳内の各部位に発現するTrkBアイソフォームは中枢神経系においてそれぞれ特有の機能を有する可能性が示唆された。以上の成果を学会で発表するとともに、論文として公表した。また、この結果から、心血管疾患、特に高血圧症病態で脳内のTrkBアイソフォーム発現が変化していると仮説を立て、③高血圧症モデルラット脳内のBDNFとTrkBアイソフォーム発現を検討した。まだ解析の途中であるが幼齢時に高血圧症モデルラットの脳幹におけるTrkB T1タンパク質発現が亢進しているという予備的知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで精力的に研究を行い、その成果の一部を学会や学術誌で発表したことからおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの成果を元に今後も精力的に研究を継続し、成果を積極的に公表することを目指す。
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Research Products
(3 results)