2018 Fiscal Year Annual Research Report
ハイデガーを核とした「中心」とパースペクティヴ性に関する比較哲学及び現象学的研究
Project/Area Number |
17J02438
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小田切 建太郎 京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | ハイデガー / シェリング / ヘルダーリン / 思考以前の存在 / 宗教 / フュシス / 中動態 / 現象学 |
Outline of Annual Research Achievements |
著書(単著)『中動態・地平・竈――ハイデガーの存在の思索をめぐる精神史的現象学』(法政大学出版局、2018年7月25日)を公刊し、立命館哲学会と関西ハイデガー研究会で合評会を行った。小論「『中動態・地平・竈――ハイデガーの存在の思索をめぐる精神史的現象学』についての書評たちに寄せて」を『立命館哲学』(第30集、2019年3月)に寄稿した。講演「シェリングの積極哲学における「思考以前の存在」」(2019年1月11日、於群馬県立女子大学)を行った。ワークショップ「ハイデガーと有限性の問題―存在・言葉・死」(於明治大学、2019年1月14日)で口頭発表「ハイデガーにおける存在とフュシスの動態をめぐって ――バンヴェニストとパッツァーを手がかりに」を行った。第24回「世界哲学大会」(於中国国家会議中心)での口頭発表「Contingency of the Being? On the middle and subject dimension of the life」(2018年8月14日)を行った。講演「ハイデガー『存在と時間』を読む」(立命館土曜講座、2018年9月15日)を行った。ワークショップ「間文化性と宗教」(間文化現象学研究センター、2019年3月17日)では口頭発表「ハイデガーと「宗教について」」を行った。論文(単著)「"Herd" bei Heidegger und Schelling. Eine Eraeuterung aus mythologischer Perspektive」がPhenomanological Society of Ljubljanaの『Phainomena Journal of Phenomenology and Hermeneutics』 の第XXVII巻106-10号7(2018 November, pp. 109-126)に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理由として、順調な成果の実績が挙げられる。具体的には、著書(単著)『中動態・地平・竈――ハイデガーの存在の思索をめぐる精神史的現象学』(法政大学出版局、2018年7月25日)を公刊した。これに関する合評会も行い、研究成果の検討、公開も進んでいる。また、ハラルド・パッツァーのフュシスに関する著書や初期ヘルダーリンの論考「宗教について」などこれまで発見されることがなかった重要テクストを取りあげ、研究に活かすことができている。また研究成果を外国での英語やドイツ語による口頭発表および論文の公刊で公表するなどの具体的な成果をあげている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、本研究の構成する主要契機である「フュシス(自然)」「中動態」「媒体性」「偶然性」といった諸問題の問題をつながりをより明確化する。これまでの研究でさらに日本哲学(とりわけ京都学派)における〈中心〉というキーワードを手がかりとして媒体性およびその弁証法的な動態の解明に力を入れる。
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