2017 Fiscal Year Annual Research Report
Do the recovery environment after hypoxic training impact improvement in exercise performance
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17J02670
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
土橋 祥平 山梨大学, 医工農学総合教育部, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | 低酸素トレーニング / 回復環境 / 酸化ストレス / スプリント能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,低酸素トレーニング後の回復環境の相違が「酸化ストレス」動態に影響し,トレーニングに対する身体の適応応答を左右するシグナル因子として機能するものと仮説を立てている.そこで,まず低酸素環境下の一過性の間欠的高強度運動後の回復環境の相違が酸化ストレス動態に及ぼす影響を検証し,その上でトレーニングによる長期的適応応答を評価した. 被験者7名を対象に,先行研究において無酸素性作業能力が改善することが確認されている低酸素トレーニング内容に倣い,酸素濃度 14.5 % の常圧低酸素環境下で 10 × 7 秒間の全力ペダリング運動 を10 分間の休息を挟んで計 2 回実施した.その後 60 分間の回復期間を設け,そのうちの前半 30 分間は,常酸素環境 (酸素濃度 20. 9 %) に復帰する条件 (H-N 条件) と低酸素環境に滞在し続ける条件 (H-H 条件) で回復を行い,後半 30 分間は両条件ともに常酸素環境で回復を行った.その結果,H-H 条件における運動終了 60 分後に採取したDNA酸化損傷マーカーである尿中 8-OHdG 排泄速度の低酸素曝露開始前からの変化量が H-N 条件に比較して高値を示す傾向が観察され (p = 0.089),運動後の回復環境がトレーニング適応のシグナルになり得る酸化ストレス動態に影響を及ぼすことが明らかになった. その後被験者24名を対象に,運動後常酸素環境で回復する (NRT, n = 12) 群と低酸素環境で回復する (HRT, n = 12) 群に振り分け,上記の運動プロトコールで計5回のトレーニング介入を実施したが,実施中約半数の被験者がインフルエンザに罹患し,群間の無酸素性運動能力に差が生じてしまい,適切なトレーニング効果の検証の実施が困難となってしまった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
運動後の回復環境の異なる低酸素トレーニング介入を実施したが,インフルエンザ流行等の予期せぬ事態に直面し,研究参加を中止する被験者が出たため,計画された全てのデータを厳密に収集することは叶わなかった.そのため,当初予定していた運動後の回復環境の相違がトレーニング効果 (運動パフォーマンス改善) に及ぼす影響の解明には至らなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
実験の実行可能性,および運動後の回復環境の異なる低酸素トレーニング介入に対する詳細な生理機序を検討するため,ヒトから動物モデルに対象を変更して,トレーニング実験を実施する.
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Research Products
(1 results)