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2017 Fiscal Year Annual Research Report

特異的な糖利用に着目した地衣類の起源および進化過程の解明

Research Project

Project/Area Number 17J03039
Research InstitutionChiba University

Principal Investigator

吉野 花奈美  千葉大学, 大学院園芸学研究科, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2017-04-26 – 2019-03-31
Keywords地衣類 / 子嚢菌 / リビトール / ポリオール / 輸送体 / Ramalina conduplicans
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、主に子嚢菌と緑藻との共生体である地衣類について、その共生間で特異的に利用されるリビトールの輸送機構に着目し、地衣化に伴う子嚢菌の進化について明らかにしようとするものである。
本年度の最大の成果は、子嚢菌門全体に渡るリビトールまたはその上位区分であるポリオール輸送体遺伝子の進化史と地衣化との関連性を明らかにしたことである。これまでに地衣化子嚢菌ではゲノム中の糖輸送体遺伝子が減少することが知られていた。ところが本研究により、地衣化する子嚢菌の最大のグループで、ポリオール輸送体遺伝子が増加していることが明らかとなった。これは地衣化子嚢菌が緑藻との共生関係を強固にする上で理にかなっていると考えられる。これらの結果は現在投稿準備中である。
また、地衣類であるRamalina conduplicansから得た菌株KY1401より、ディジェネレートPCR法およびRACE法を用いて2つのポリオール輸送体遺伝子候補を単離した。これら遺伝子について、ポリオール輸送能を持たない酵母へベクターを介して導入した。
さらに、特定のグループに属す地衣化子嚢菌では、ポリオール輸送体遺伝子の遺伝子重複を生じている可能性が示唆されたため、R. conduplicansについても菌株KY1401を用いてゲノムDNAシークエンスを実施した。
加えて、地衣化する子嚢菌のさらなるポリオール輸送体遺伝子の単離に向け、野外採集した複数の地衣類から分離培養菌株を確立した。特に、これまでに培養株を得られていなかった複数の目および科での培養に成功した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の基盤に当たる子嚢菌門全体におけるポリオール輸送体遺伝子の保存性を明らかにできたことで、今後の研究方針に関わる重要な知見が得られた。また地衣化する子嚢菌に特異的な遺伝子の変異が見つかったため、今後それらの詳細を明らかにしていくことでさらなる研究の進展が期待できる。加えて組換え酵母の作製等、次年度実施する実験の下準備も進んだ。

Strategy for Future Research Activity

ポリオール輸送体遺伝子候補を有する組換え酵母を用い、当遺伝子の機能解析を進める。KY1401株のゲノムDNAシークエンスのデータを解析し、さらなるポリオール輸送体遺伝子の単離や機能解析に利用する。さらにこのゲノムDNA配列をリファレンスとしてRNA-seq比較解析を実施する。これによりポリオールの内特にリビトールの輸送・代謝関連遺伝子群を網羅的に解明し、遺伝子群レベルでリビトールの利用が地衣化する子嚢菌の進化に与えた影響を明らかにする。

  • Research Products

    (1 results)

All 2018

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 子嚢菌門における地衣化現象とポリオール輸送体遺伝子との関係2018

    • Author(s)
      吉野花奈美、山本航平、園田雅俊、山本好和、坂本一憲
    • Organizer
      日本菌学会第62回大会

URL: 

Published: 2018-12-17  

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