2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17J03095
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
柴原 舞 奈良女子大学, 人間文化総合科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2021-03-31
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Keywords | 湿り感 / 触知覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
主な研究実績としては、湿り感提示装置に必要な操作・設計指針を考察し、博士論文として研究成果をまとめたことである。当該年度は、1件の査読有り国際学会発表(2nd 1件)を行った。 私は、触覚提示技術の確立に貢献するべく、人間が濡れたものに触れたときに湿りを知覚するメカニズムを理解することを目指している。人間は水分を直接検出する感覚受容器を持っていないことが示唆されており、どのように湿りを知覚しているかは未だに解明されていない。これまでの研究では、湿り知覚は温度刺激と機械刺激の感覚統合によって生じると仮定されている。つまり、湿りを知覚する際に水分そのものによる刺激は必要ではなく、人間は湿りを“錯覚”的に知覚していると解釈できる。そこで、湿り知覚を水分刺激の検出機能ではなく、温度刺激と機械刺激の感覚統合による錯覚現象であるとする視点に立ち、この湿り感錯覚が生起する条件を検証してきた。水で濡らさずに湿り感を提示できれば安全かつ簡便に、バーチャルリアリティやオンラインショッピングにおいて、物体の把持力調整や材質識別など多様な状況の湿り感提示に貢献できると期待される。 私は学士・修士課程期に乾燥した布を冷却し、手掌で静的に触れると湿っているように錯覚する現象を定量評価した。博士課程期では接触条件の制約を広げるため、静的な接触の時と同様の手法がなぞり動作で適用できるかを検討した。結果として、なぞり動作のように皮膚と物体の間の摩擦が時間的に変化する動的接触の場合、静的接触において見出された冷刺激による湿り感錯覚が生じる実験参加者は少なく、個人差が大きかった。つまり、湿りを知覚する際の温度刺激や機械刺激の統合過程は触り方や個人特性によって異なることが示唆された。この知見をもとに、具体的な湿り感提示装置の用途や使用状況を想定した刺激の実装形態や提示手法を考察し、博士論文にまとめた。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)