2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17J03098
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小林 曉吾 九州大学, 理学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 文脈依存的恐怖条件付け学習 / 記憶 / 抑制性神経細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
採用第3年度目の本年度は、「記憶痕跡細胞群に神経入力する抑制性細胞群の活動操作」と「記憶痕跡細胞群に神経入力する抑制性細胞群の免疫組織化学的解析」を実施した。具体的には、恐怖条件付け学習時に活性化した海馬歯状回の興奮性神経細胞群に神経入力する抑制性神経細胞群に選択的にDREADD (Designer Receptors Exclusively Activated by Designer Drugs)であるhM3Dq、hM4Diといった薬理学的ツール分子、mCherryといった蛍光タンパク質分子を発現させた。hM3Dq やhM4DiはDREADDの選択的リガンドであるCNO(Clozapine-N-Oxide)と結合することで、それぞれ神経細胞を活性化/不活性下させる。そこで、DREADD発現マウスに対してCNOを投与し、一定時間経過後に脳を取り出して免疫組織化学的解析を行った。その結果、コントロール群と比較して、CNO投与マウスでは有意にhM3Dq発現細胞において神経活動が亢進する一方で、その他の海馬CA1錐体細胞群で活動が低下することが観察された。また反対に、CNO投与下におけるhM4Di発現マウスにおいては、hM4Di発現細胞の活動は抑えられ一方、その他の海馬CA1錐体細胞では活動が亢進することを示唆する結果を得た。さらに昨年度から引き続き、DREADD発現マウスを用いて、記憶学習行動の解析を行った。CNOまたは生理食塩水を投与して一定時間経過後に恐怖記憶の想起テストや消去テスト、文脈依存的環境識別テストを行った結果、記憶を担う細胞群に神経入力する抑制性細胞群の神経活動を人工的に操作することで、恐怖記憶の想起や汎化、消去などに異常が生じることを示唆する結果が得られた。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)