2017 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍組織で特異的に活性化するタンパク質ラベル化反応の開発
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17J03326
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
渕田 大和 九州大学, 大学院薬学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | 低酸素 / ラベル化 / EGFR / プロドラッグ |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、不可逆阻害剤の開発がキナーゼ阻害剤を中心に盛んに行われている。現在、不可逆阻害剤にはCys残基に対する反応基としてマイケルアクセプターが一般的に利用されている。しかしながら、マイケルアクセプターは反応性が高く、標的タンパク質選択的なラベル化は困難であり、副作用の発現が懸念される。 本研究では、マイケルアクセプターの正常組織での非特異的なラベル化を抑制するため、腫瘍組織で特異的に活性化されるプロドラッグ型のマイケルアクセプターの開発を目的とした。具体的には、4-アミノクロトンンアミドのアミノ基に電子吸引の保護基を有するEGFR プローブの合成および反応性評価を行った。 脱保護体(活性化体)のプローブ1は、生理的条件下においてグルタチオンと迅速に反応した一方で、アミノ基上に電子吸引性の保護基を有するプローブ2は、期待通りグルタチオンとほとんど反応しなかった。 次に、EGFRを過剰発現するA431細胞を用いてEGFRのラベル化試験を行った。プローブ1とプローブ2の低酸素条件と通常培養条件におけるEGFRに対するラベル化率を比較したところ、活性化体のプローブ1はいずれの条件においてもEGFRに対するラベル化効率はほとんど変化しなかった一方で、プロドラッグ型のプローブ2は、通常培養条件より低酸素条件においてEGFRラベル化効率が2倍程度向上し、期待通り腫瘍環境に対する選択性を向上することに成功した。 以上の結果は、4-アミノクロトンアミドのアミノ基に電子吸引性の保護基を導入することで正常組織と腫瘍組織との間でその反応性をコントロールできるということを示したものである。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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