2019 Fiscal Year Annual Research Report
Composer as Interpreter: From the Transition of Conducting from 19th to 20th Century
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17J03577
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
内藤 眞帆 東京藝術大学, 音楽研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 西洋音楽史 / 音楽学 / 19世紀 / マーラー / 指揮者 / 管弦楽法 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度も昨年度に引き続き、マーラーの交響曲の管弦楽法の特徴及びその変遷にかんする研究を行い、国際学会での口頭発表と2篇の査読論文を執筆した。具体的な研究内容は以下の通りである。 第一に、マーラーの第1および第2交響曲の成立過程について、変更プロセス、管弦楽法の特徴、指揮活動との関連という観点から、当該交響曲の成立の各過程を示す自筆総譜や作曲者の書き込み入筆者譜といった一次資料の分析・考察を行った。その結果、この2つの交響曲の成立過程が同時並行的であるのみならず、編成や管弦楽法にまつわる変更内容やその傾向が類似していること、そして、同時期のハンブルクにおけるマーラーの指揮者としての活動がこうした変更に多大な影響を与えたことを解明した。研究成果については2019年9月に行われたドイツ音楽学会にて口頭発表を行い、発表内容をまとめた論文を1篇(ドイツ語)執筆した(掲載決定済み、出版準備中)。 第二に、マーラーの交響曲における異化効果という観点から、とりわけ第1交響曲に焦点をあてて研究を進めた。先行研究において、マーラーが異化効果を狙い、従来の交響曲とは異なる方法でオーケストラを用いたと論じられている箇所について、成立の各過程を示す一次資料の比較・分析を行った。その結果、マーラーは当該交響曲の成立当初には古典派の作曲家に準ずる管弦楽法を用いていたが、変更作業をつうじて慣習的な管弦楽法から一部逸脱し、彼独自の音響空間を作り出したことが明らかになった。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)