2018 Fiscal Year Annual Research Report
慢性掻痒時の活性化アストロサイトによる痒み増強の神経回路メカニズムの解明
Project/Area Number |
17J03680
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古賀 啓祐 九州大学, 大学院薬学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | アストロサイト / 痒み / GRPR / patch-clamp / 脊髄 / STAT3 / LCN2 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性的痒みは睡眠障害、過度の肉体疲労、精神的ストレスをもたらしQOLを著しく低下させることから、その制御はきわめて重要な課題である。当研究室では、脊髄後角に存在するアストロサイトの活性化及び産生されるLipocalin-2 (LCN2)が、慢性的な痒みのメカニズムにおいて重要な役割を担うことを明らかにしている。この活性化アストロサイトによる痒みの増強メカニズムを明らとする目的で、昨年度は脊髄後角でかゆみ伝達に重要な神経細胞であるgastrin-releasing peptide receptor(GRPR)陽性神経に着目し、接触性皮膚炎モデルマウスにおいてGRPR陽性神経の痒み伝達物質(GRP)に対する応答性が著明に増強していることを明らかとした。 今年度は慢性掻痒時に増強される痒み伝達のメカニズムを明らかとするため、アストロサイトの活性化に重要な転写因子であるSTAT3に着目した。脊髄後角のSTAT3機能を抑制する目的で、ドミナントネガティブSTAT3(dnSTAT3)をアストロサイト特異的に発現させるウイルスベクターを用いて検討を行った。dnSTAT3マウスでは慢性掻痒モデルマウスで認められるアストロサイトの活性化が著明に抑制されており、さらに接触性皮膚炎による痒み行動や皮膚炎が慢性期において優位に抑制された。さらに接触性皮膚炎で増強されるGRPR陽性神経の痒み伝達物質(GRP)に対する応答性がコントロールレベルまで減少した。このマウスでは、過去に特定したアストロサイト産生因子であるLCN2のmRNAが著明に減少していることから、GRPR陽性神経の神経伝達増強にLCN2が関与することが示唆された。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] Optogenetic activation of non-nociceptive Aβ fibers induces neuropathic pain-like sensory and emotional behaviors after nerve injury in rats2018
Author(s)
Ryoichi Tashima, Keisuke Koga, Misuzu Sekine, Kensho Kanehisa, Yuta Kohro, Yugo, Fukazawa, Kazuhide Inoue, Hiromu Yawo, Hidemasa Furue, Makoto Tsuda
Organizer
The 18 th World Congress of Basic and Clinical Pharmacology
Int'l Joint Research