2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17J04010
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山崎 翔太郎 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
|
Keywords | 高速電波バースト / マグネターフレア / 中性子星 / パルサー / 連星中性子合体 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は, 高速電波バーストが示す分散量度に関する研究を行った。分散量度とは、天体から我々までの視線方向上における自由電子の柱密度である。一般に、宇宙赤方偏移と銀河間空間プラズマに起因する分散量度との比例関係から、高速電波バースト発生源の赤方偏移を見積もることができる。しかし、高速電波バーストから観測される分散量度は、銀河間空間プラズマに加えて、母銀河、銀河系ハロー、銀河系内それぞれに起因する分散量度の総和であり、そのうち、特に銀河系ハロープラズマからの寄与はよくわかっていない。そこで、球対称成分と円盤成分に加え球対称成分を考慮した銀河系ハロープラズマの新たなモデルを構築し、それから期待される分散量度を銀緯と銀経の関数として与えることに成功した。また、それが、今までにLMCパルサーおよび高速電波バーストから実際に観測された分散強量度と矛盾しないことを確認した。 上記の研究と並行して、超強磁場の中性子星が X線・ガンマ線帯域で起こすバースト現象である「マグネターフレア」のエネルギースペクトルに関する研究も行った。マグネターフレアは、高速電波バーストの起源天体候補の一つでもあり、発生機構には依然謎が多い。 具体的には、黒体放射の光子が相対論的プラズマ強磁場中に束縛された電子の共鳴逆コンプトン散乱の影響を受けるというモデルを考案し、その結果、歴史的な超巨大フレアで有名なマグネター SGR1900+14から観測されたフレアスペクトルの硬X線過剰成分を説明することに成功した。 本研究課題遂行期間中、高速電波バーストに関して、今後の科学史に残るであろう大きな観測的進展があったが、これらに即応しつつ柔軟に理論研究を遂行することができた。また、当初の計画には組み込まれていなかったマグネターという天体についても、研究の視野を広げることが可能となり、予想以上の成果を出す事に成功した。
|
Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(7 results)