2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of molecular aggregation control with organic porous spaces and creation of novel solid-state light emitting materials
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17J04069
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
畠中 創 九州大学, 工学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | センサー / 蛍光 / 超分子 / 包接結晶 / 多成分反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
①共有結合型多孔性ホスト分子の合成と芳香族ゲストに対するベイポクロミズム応答挙動の評価 本研究では、新たに共有結合型多孔性ホスト利用した芳香族有機化合物に対する蛍光センサー材料の開発を試みた。様々な条件検討の結果、側鎖にベンゾフェノンを導入したナフタレンジイミド誘導体(2BP-NDI)を用いる事により、様々な芳香族のゲスト分子の蒸気を吸着し、発光するベイポクロミズム型のセンサーが創製可能であることを見出した。特長しては、キシレン誘導体(o-, m-, p-キシレン)、エチルベンゼン、スチレン等の分子を厳密に見分けることのできるセンサーとして機能することを見出した。 ②電子豊富なホストの探索とプロトン酸との複合化による新規有機固体発光材料の創製 これまでに有機多孔性空間(ホスト分子)の設計指針として、ナフタレンジイミド誘導体(NDI)を代表とする電子不足なπ共役分子を基本とした有機多孔性空間の創製を進めてきた。更なる研究展開を目指し、本研究では、電子豊富なホストの探索を目的とした。結果として、近年、Grykoらによって発見されたピロロピロール誘導体(PP)の合成法に着目した。ピロロピロール誘導体は、ジケトン、アルデヒド、アミンを強酸中で反応させることにより得られる青色発光色素であり、その構造から極めて電子豊富な化合物であると考えた。ピリジル基を含むピロロピロール誘導体を合成し、様々な酸との複合化による有機固体発光材料の創製を試みた。結果として、ピリジル基をプロトン化することにより、電子豊富なピロロピロールから電子不足なピリジニウム塩への分子内電荷移動が生じることを見出し、また用いたプロトン酸の酸強度を変更させることにより、発光色を水色、緑、黄色に変化させることに成功した。各種の発光スペクトル測定や単結晶X線構造解析をすすめることにより、分子凝集状態での発光特性を精査中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載したとおり、有機化合物の包接現象を利用した機能性材料の創製を試みており、その機能の一つとして有機化合物センサーとしてのアウトプットを見出すことが出来た。また新たなホスト化合物として、ピロロピロール誘導体の合成とその機能化に成功している。そのため、おおむね順調に研究が進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
有機化合物の包接現象を利用した、室温大気下での燐光発光材料の創製を行い、その材料を用いた機能性材料への展開を試みたい。例えば外部環境(温度、酸素濃度など)に応答して発光特性を大きく変化させる刺激応答材料への展開を行いたい。また新たなホスト分子としてピロロピロール誘導体の合成も達成しているため、これを用いた有機固体発光材料の創製をめざす。
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