2017 Fiscal Year Annual Research Report
量子暗号のセキュリティ理論の構築と量子通信の理論限界の解明
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17J04177
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
水谷 明博 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | 量子鍵配送 / 情報理論的安全性 |
Outline of Annual Research Achievements |
量子暗号の実現に向けた研究を行い、以下に示す3本の論文を発表した。また、量子インターネット上での量子通信の理論限界の成果を国際学会で発表した。 1. 簡易な実装で量子鍵配送(QKD)が実現可能な方式として将来の実装が期待されている差動位相シフト(DPS)方式について、任意のブロック長に対して解析的に閉じた安全性証明を与えた。既存の証明手法とは異なり、量子力学の相補性を用いた手法を採用し、盗聴量の推定が既存よりもタイトになることが分かった。その結果、DPS方式はより高効率な鍵生成が可能であることを明らかにした。本成果はQuantum Science and Technology誌から出版された。また、国内外で学会発表を行った。 2. 現実の広範な光源装置に適用可能なQKDの安全性理論を構築した。本研究では、送信パルス間の相関を送信者が選択した過去のビット情報等に依存する相関(SCDC)と依存しない相関(SCDC)に分類し、SCICの枠組みで光源装置の支配的な不完全さである「位相と強度の揺らぎ」を取り入れた安全性証明を与えた。SCDCは、QKDシステムが高速に動作するときに起こることが先行研究で示されているが、送信器を並列に並べて切り替え、各送信器をゆっくり動かすことでSCDCは取り除くことが可能だと考えられる。安全性証明の結果、現実的な位相揺らぎである±0.03 rad、強度揺らぎ±3%を仮定した場合、75 kmの光ファイバーリンクで1Mビットの秘密鍵が0.3時間以内に配送可能であることが分かった。本成果はarXiv.org e-Print archiveで発表した。 3. Iterative siftingを用いたQKDの安全性証明の研究を行い、Quantum Science and Technology誌から出版された。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(8 results)