2017 Fiscal Year Annual Research Report
Luminosity Increase in Laser-Compton Scattering by Crab Crossing Method
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17J04371
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小柴 裕也 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | レーザーコンプトン散乱 / X線 / 薄ディスク / 再生増幅器 / 量子ビーム |
Outline of Annual Research Achievements |
電子ビームによってレーザー光子を散乱させることでX線光子ビームを発生させるレーザーコンプトン散乱において、電子ビームに傾きを付与することで擬似的な正面衝突を再現できるクラブ衝突レーザーコンプトン散乱の原理実証を目指している。 当該年度としては衝突用レーザーシステムの構築に取り組み、クラブ衝突の効果を最大化すべく高パルスエネルギー・超短パルスなレーザー開発に従事した。発振器としてはYbファイバーレーザーを使い、非線形偏波回転に基づくモード同期で1ピコ秒のレーザーパルス生成に成功している。発振器の下流にはYbファイバー前置増幅器、回折格子を用いたパルスストレッチャーを構築し、300mW、150ピコ秒のパルス生成を確認している。メインアンプであるThin-disk再生増幅器に関しては知見が少なかったこともあり試験を精力的に行い、試験的なセットアップながらサブミリジュールのパルス生成に成功している。再生増幅を示すビルドアップ波形(各ラウンドトリップで波形が増幅される様子)の取得もできている。またThin-diskで問題となりえる曲率半径の変化に関してもデータを取得し、共振器設計にフィードバックしている。これらの成果から、励起モジュールや励起光源をアップグレードすることで10ミリジュール以上、フェムト秒のパルス生成が実現可能との見通しを得ることができた。加速器システムに組み込む事を鑑み、比較的コンパクトな光学台に収めていることも特徴である。今後はアップグレードを早急に済ませてパルスコンプレッサーを構築、強度とパルス幅の評価を済ませた後にレーザーコンプトン散乱によるX線発生を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画では既に衝突用レーザーシステムの完成を目論んでいたが、Thin-disk再生増幅器に関して試験的な段階に留まっている。しかしながら見通しの良い実験結果を得ることに成功し、ノウハウを培うこともできたため早急にレーザーシステムの完成ができるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
高パルスエネルギー・超短パルスのレーザーシステムの完成をすべく、試験的なセットアップに留まっているところをアップグレードする。具体的には励起モジュール、励起光源をより高品質なものに置き換え、評価を行う。昨年度に培われた経験からよりスピード感を持って研究を遂行することが可能と考えている。加速器側もぬかりなく準備をし、レーザーシステムが完成し次第マッチアップさせ、レーザーコンプトンX線発生を実施する。X線生成の確認後はクラブ衝突を実施し、X線強度の変化データを取得する。
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Research Products
(7 results)