2017 Fiscal Year Annual Research Report
Practical study of language conservation and revitalization - A case of Ryukyu- Okinoerabu langauge-
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17J04617
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Research Institution | National Institute for Japanese Language and Linguistics |
Principal Investigator |
横山 晶子 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 言語変異研究領域, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 言語復興 / 言語記録 / 琉球諸語 / 沖永良部 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、消滅の危機に瀕した言語(危機言語)を次世代に継承するために、(a) 危機言語の社会言語学的な実態把握と、(b) 先行する国内外の言語復興運動を分析を行い、(c) 地域と連携した言語教材の開発を行うことである。 今年度は(1)世代別の言語理解度、(2)方言教室、教材開発の手法に関する情報収集、(3)言語教材の開発と方言教室の運営の基盤作り、に取り組んだ。(1)について、沖永良部語がどの世代まで継承されているかを明らかにするために、沖永良部島国頭集落に居住する20代~70代の35名を対象に、沖永良部語の理解度を測る言語実験を行った。その結果、伝統言語の理解度が大きく変わる年齢的な境界線は、30代半ばにあることがわかった。(2)について、国内外の学会・研究会で、琉球諸方言や、沖永良部島における言語復興の取り組みについての発表を行い、関連分野の研究者と意見交換をした。また、他地域の取り組みに関する情報収集を行った。(3)について、博士論文として提出した、沖永良部国頭方言の記述文法を元に、教材の開発を開始した。それと並行して、地域コミュニティと連携し、島内2か所で伝統言語が学べる「しまむに教室」を開始した。更に、沖永良部語を学ぶ教材と、語彙データベース、音声・映像を閲覧できるwebサイトを開設した(http://erabumuni.com)。 来年度は、言語教材を開発としまむに教室の運営を軸にした、アクション・リサーチ研究を進めると共に、沖永良部島における言語継承活動の記録と分析も進めたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、沖永良部語の理解度の年代別調査が進んだほか、教材の開発、地域での方言教室、言語記録・継承のためのホームページがスタートし、全体として、研究は順調に進展している。一方、他地域の事例分析については、学会や研究会での情報収集にとどまったため、来年度は先行事例の分析も含めて研究を前進させたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に引き続き、教材の開発、方言教室の開催など、地域コミュニティへのアクション・リサーチを進める。また今年度は、口頭発表や地域での研究発表は行ったものの、成果を論文としてまとめることが出来なかったため、来年度は、研究成果の発信も含めて積極的に取り組みたい。
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Research Products
(5 results)