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2017 Fiscal Year Annual Research Report

免疫性自己核酸の細胞内制御機構の解明

Research Project

Project/Area Number 17J04765
Research InstitutionThe University of Tokyo
Research Fellow 中島 由希  東京大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC1)
Project Period (FY) 2017-04-26 – 2020-03-31
Keywords自然免疫 / 自己核酸 / RNA / 抗菌ペプチド
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、I型IFNを誘導し、且つ抗腫瘍効果を示す核酸結合化合物として新規に同定された、STING-mediated interferon-inducing and cytotoxic reagent, original; 以下SINCRO (申請時には化合物Aとして提出) を用いて、免疫応答を活性化する自己核酸の細胞内制御機構を解明することを目的としている。
SINCROによるI 型 IFN誘導の機構として、「SINCROが自己核酸-タンパク質複合体の解離を促進し、ここから遊離した自己核酸が免疫応答を活性化する」という仮説を立てた。
解析の結果、SINCROはSTINGに直接結合しI型IFNを誘導することが分かったが、仮説に示したような機能がないことが判明した。
次に、同時期に同定されていた化合物KN69及び内在性の標的RNAに着目して解析を進めた。KN69はRNAに直接結合することで、その遺伝子誘導能を抑制する新規化合物であるが、その内在性の標的RNAは強いI型IFN誘導能を持つことが分かり、内在性のRNAが関与すると考えられている疾患の患者血清中で、この標的RNAが有意に増強することも判明した。そこで、標的RNAが細胞外で強いI型IFN誘導を引き起こす一方で、正常な細胞内では引き起こさないように制御されている可能性を検討したところ、炎症時に細胞外に放出されると考えられる抗菌ペプチドと標的RNAの複合体はマウス脾臓細胞や腹腔マクロファージにおいて、TLR7を介してI型IFNや炎症性サイトカインを強く誘導したが、細胞内で標的RNAが常時結合していると考えられる細胞内タンパクとの複合体には遺伝子誘導能がないことが判明した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

自己核酸がどのように免疫応答を制御するか、その機構を解析するため、様々な細胞種においてI型IFNを誘導することができる新規の核酸結合SINCROを用いて検討を行った。当初、SINCROが自己核酸-タンパク質複合体の解離を促進し、ここから遊離した自己核酸が免疫応答を活性化すると推測し解析を行ったが、SINCROは自然免疫受容体であるSTINGに直接結合し、I型IFNを誘導することが判明した。予想とは異なる結果ではあったが、新規化合物SINCROの作用機序が明らかとなり、抗腫瘍効果も発揮することも突き止めたことから、十分な成果であると考えらえる。
その後も、自己核酸による免疫応答の活性化機構について解析を進めており、KN69化合物が結合する内在性の標的RNAが免疫応答の活性化能を有することを見出した。現在、標的RNAが細胞外で免疫応答を活性化する機構と、細胞内で抑制状態にある機構について、さらに詳細な解析を進めており、今後、その詳細が明らかにされると期待される。よって上記の評価に値すると考える

Strategy for Future Research Activity

これまでの解析により、抗菌ペプチドとKN69標的RNAの複合体はマウス脾臓細胞や腹腔マクロファージにおいて、自然免疫受容体であるTLR7(Toll-like receptor 7)を介してI型IFNやTNF-α、IL-1βなどの炎症性サイトカインを強く誘導したが、この標的RNAが細胞内で結合しているタンパクには遺伝子誘導の活性化能がないことが判明した。標的RNAはリポフェクションなどの試薬によって、RNA単独で細胞内に導入した場合でも、I型IFNや炎症性サイトカインを強く誘導することから、普段、標的RNAは細胞内部において複合体を形成するパートナーによって核酸認識受容体に認識されない状態にあることが考えられる。今後は、標的RNAによる免疫応答活性化の制御機構についてさらに詳細を解析するとともに、疾患との関わりについても、すでに作製が完了している遺伝子改変マウスを用いて進める予定である。

Research Products

(2 results)

All 2017 Other

All Presentation (1 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] Identification of immunogenic endogenous RNA and its inhibitor.2017

    • Author(s)
      Yuki Nakajima
    • Organizer
      第46回日本免疫学会学術集会
  • [Remarks] 発表論文(2011~)

    • URL

      http://www.iis.u-tokyo.ac.jp/~mol-immu/ja/record/2011.html

URL: 

Published: 2018-12-17  

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