2019 Fiscal Year Annual Research Report
自閉症スペクトラム障害児の自己他者認識の発達促進に関する長期縦断的支援と定量解析
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17J04992
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
関根 悟 慶應義塾大学, 社会学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 早期発達支援 / 定量解析 / 自閉スペクトラム症 / 運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017、2018年度において、申請者は介入の第一段階である注視行動支援・第二段階である模倣支援まで完了している。2019年度においては自己―他者をとらえる支援として「運動社会性発達支援パッケージ」の開発と支援効果の定量評価を実施した。 本研究では日常生活で実施する広空間での遊びの一つとして追いかけっこ遊びを想定した場面を設定し支援した。生活年齢4~5歳の自閉症児3名が参加した。支援開始前、実験者は部屋の中で追いかけっこ遊びをしようと参加児に声をかけ、部屋の中を逃げ回った。その後、2つの支援を組み合わせた発達支援パッケージを参加児に対して導入した。支援の1つは随伴模倣手続きで、実験者は参加児の歩行・発声・動きを模倣した。もう一つの支援は接近強化で、実験者は少し離れたところから参加児にタッチするように求め、タッチしたら一緒に遊び、徐々にタッチするまでの距離を伸ばし、追いかけっこ行動を形成した。 発達支援パッケージによる支援効果を明らかにするため、注視行動及び追従行動の自動計測・定量計測を実施した。機械学習の手法の1つであるMask-RCNNを用いて、アイトラッカーで撮影した映像から人体を検出し、その範囲内を注視していた場合、他者に対する注視行動が生起したと定義した。追従行動の計測モデルを作成し、参加児と実験者それぞれにモーションキャプチャ用のマーカーを取り付けてその位置関係を計測することで、追従行動が生起していたかを計測した。本計測手法の開発によって、社会的行動の計測を精度高く実施することが可能になった。 本支援パッケージによる介入および定量計測の結果、相手に対する注視行動が増加し、また注視行動と同時に実験者を追いかける行動が生起するようになったことが明らかになった。この結果は、遊びの最中に動きながら実験者を追視していたことを示し、機能的な社会的行動を獲得したことを示している。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)