2017 Fiscal Year Annual Research Report
A Therapeutic Approach For Amyotrophic Lateral Sclerosis Using By Novel Nrf2 Activator
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17J05111
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
星野 友則 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / ALS / 神経変性疾患 / 酸化ストレス / Nrf2 / 低分子化合物 / 治療法開発 / 作用機序 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者の所属する研究室では、これまで化合物Xがin vitroにおいて、Nrf2の活性化を介してReactive Oxygen Species (ROS)の産生を抑制し、低酸素や塩化コバルト、Menadioneといった酸化ストレスを引き起こす細胞死をアポトーシス経路以外の経路で抑制することを明らかにしてきた。今年度は、新規Nrf2活性化化合物XがALSの症状を改善するか明らかにするため、化合物X投与によるALS モデルマウスの症状の評価を中心に研究を行った。 化合物Xは難溶性であり、化合物X投与によるALS モデルマウスを評価する上で、化合物Xの溶解性の改善が必要であった。そこで、まず溶媒の最適化を行った。数種類の溶媒を用いた比較を行うことにより、その結果、化合物Xの溶解性の改善させることに成功した。この溶媒条件のもと、5mg/kgにて化合物XをALSモデルマウス (SOD1G93A Tgマウス ハイコピー)に8週齢から週1回、合計4回腹腔投与を行い、発症時期・寿命および組織病理学的解析を行った。化合物XはALSモデルマウスの発症時期を遅延させなかったものの、寿命については有意に延長させることが明らかとなった。またニッスル染色による組織病理学的解析により、ALS進行による運動ニューロンの脱落が抑制されていることが観察された。さらに免疫染色による検証により、ミクログリアの活性化を抑制することがわかった。これらの結果より、化合物XはALSの症状を改善していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、新規Nrf2活性化化合物XがALSの症状を改善するデータを得ることができ、新規Nrf2活性化化合物XがALSの治療に有用である可能性が示唆された。このことからおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、ローターロッドによる運動機能評価等により化合物X投与によるALS モデルマウスの症状の評価を引き続き行いつつ、化合物Xの標的細胞同定のため神経細胞やグリア細胞を用いた検証も予定している。なおグリア細胞においてはin vitroにおいて細胞外分泌因子への影響も検討している。また化合物Xの詳細なターゲット探索のためトランスクリプトーム解析も行う予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Book] 脳内環境辞典2017
Author(s)
高橋 良輔, 漆谷 真, 田代 善崇, 星野 友則, 山下 博史, 上村 紀仁, 山門 穂高
Total Pages
150
Publisher
メディカルドゥ社
ISBN
978-4-944157-64-8