2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17J05289
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
角 奈都子 東京大学, 法学政治学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 国家管轄権 / 域外適用 / 国際私法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度策定した研究方針及び研究計画の下で、現在規律管轄権に関する国際法上の規律として最も有力な立場とされる「密接な連関原則」の提唱者であり現在でもその代表的論者とされるF.A. Mannの議論について、どのような理論的位置づけを与えることができるか、検討した。 具体的には、昨年度に引き続きMann自身の議論の内在的理解を試みると同時に、同時代の他の論者や「密接な連関原則」に対する現在の理解との比較検討、Mannの議論がどのように評価・受容されたかといった点の検討を主に行った。その結果、「密接な連関原則」に対する現在の理解については、「密接な連関」の具体的内容として、例えば、対象事案が当該国の領域内で発生したことや、対象事案の当事者が当該国の国民であるといったことが念頭に置かれる点で広く共通の理解があるものの、密接な連関の同定方法や、不干渉原則等の他の原則との関係について見解は様々で議論が混乱していることがわかり、Mannの議論の位置づけも一様ではないことが明らかとなった。また、Mannの議論は同時代の他の論者とはそのアプローチが異なることが明らかとなり、その議論が現在に至るまでにどのように評価・受容されたかについても検討を進めることができた。Mannの議論に対する理論的位置づけを明らかにし、国際法における管轄権に関する従来の議論に対し新たな視点を見出すことができたと考えている。 以上の研究内容について、雑誌での公表がすでに決定しており、現在執筆を進めているところである。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)