2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17J05393
|
Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
佐藤 康太 東京藝術大学, 音楽学部・大学院音楽研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
|
Keywords | コントラファクトゥア / パロディ / 教会カンタータ / オペラ / ヨハン・アドルフ・ハッセ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究にとって最も重要な課題である、パロディ稿の作成の実態解明のため、本年度はオリジナル稿との比較による楽曲分析を行った。特に歌詞の書き換えをどのように行っているかを明らかにするため、歌唱声部の比較に注力した。 結果、当初の想定とは異なり、イタリア語詩からドイツ語詩への書き換えが、韻律と詩行の構造をあまり崩すことなく行われていることが明らかになった。概ねイタリア詩の7音節詩行settenarioはドイツ詩のdreihebiger Jambusで、11音節詩行endecasillaboはfuenfhebiger Jambusで代用されている。またオリジナルの4音節詩行quinarioおよび8音節詩行ottonarioは、イタリア詩のこれらの詩行の基本リズムに合わせてvierhebiger Trochaeusに変換されていることが多い。この結果、各詩行の音節数とアクセント構造はほぼ維持され、歌唱声部のリズムを変えることなくパロディ詩を当てることが可能となる。これは、コントラファクトゥアの作者オーピッツが、できる限りハッセの旋律に手を加えることなくパロディ化を行おうとしたからだろう。 本研究の史料面での最終調査を、2020年3月にドイツで行う予定であったが、これは誠に遺憾ながらコロナウィルスの拡散により不可能となった。またその調査内容も含めた学会発表をドイツ(国際テレマン学会、同3月)で行う予定だったが(アクセプト済み)、これもコロナウィルスの影響により学会そのものが中止となり、かなわなかった。この学会に関しては、主催者が今後どこかで同じ内容、発表者で改めて開催することを予告しており、その際には必ず成果発表を行いたい。また同時に、研究結果をドイツ語の論文としてまとめる予定である。
|
Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(1 results)