2018 Fiscal Year Annual Research Report
複数台の自由移動カメラ利用のためのマルチカメラ統合基盤技術に関する研究
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17J05489
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
家永 直人 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 画像処理 / 3次元計測 / 行動認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,複数台の自由移動カメラを扱うための基礎技術として3つの課題を挙げた.「位置姿勢推定」,「可視・不可視領域の判定」,「画像群合成」である.昨年度は,「位置姿勢推定」と「可視・不可視領域の判定」,また応用研究について取り組んだ.今年度は,昨年度の研究結果をまとめ研究発表をしつつ,「画像群合成」と応用研究について取り組んだ. 昨年度の研究項目については,指にはめられた複数台の自由移動カメラを使った研究と,カメラから不可視となる領域をモデルを使うことで取り扱った研究の研究発表を行った. 「画像群合成」については,2つの研究を行った.1つ目は昨年度から行ってきた,デプスカメラを用いて取得した疎な点群に変形可能なモデルをフィッティングすることで完全な形状を推定する研究である.これは「可視・不可視領域の判定」にも関係するが,「画像群合成」にも関係する.なぜなら,複数視点の撮影(動画)によって得られた点群を合成する際に生じるずれを,モデルへのフィッティングによって解決したからである.この研究は国際会議での発表だけでなく,論文誌に採録もされた.2つ目は,デプスカメラによって取得された点群をSemantic segmentationの手法によってラベル付けし,そのラベルを,近傍点との3次元空間での距離とRGB空間での距離によって修正する研究である.この研究では,当初予定していた幾何学的・光学的整合性をこえて,各点群の意味ラベルの整合性について取り扱った. 応用研究については昨年度に引き続き,これまでの計画をベースに「人行動センシング」というテーマで研究を進めた.自宅でのリハビリテーションへの実用化が期待できる,スマートフォンを用いた手首の可動域推定,画像処理技術のASD児の診断への応用,そしてジェスチャー検出に関する研究を行った.それぞれについて,十分に研究発表を行うことができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
複数台の自由移動カメラを扱うための基礎技術として掲げた3つの課題,「位置姿勢推定」,「可視・不可視領域の判定」,「画像群合成」のうち,「位置姿勢推定」と「可視・不可視領域の判定」については昨年度取り組んだ.そして本年度は当初の計画通り,「画像群合成」に関する研究を進め,研究発表を行った.また,最終年度の目標である本研究の技術の実社会応用へ向けて,様々な研究者と共同研究を進め,多くのフィールドにおいて応用研究も行った. 昨年度は研究発表があまりできなかったことが課題であったが,本年度は雑誌論文,国際学会を含め11の研究発表を行うことができた. そのほかのこととしては,下級生の指導や研究チームの取りまとめも積極的に行った.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り第2年度目までに基礎技術の研究ができたので,最終年度は,本研究の集大成としての応用に,どのようなものがありうるか,よりインパクトがあるか,といったことの検討を始め,その応用に取りかかる.すでに,複数台の自由移動カメラを扱うための基礎技術ができた後のことも先に考え,これまで人行動センシングに関する研究も行ってきた.具体的には,自宅でのリハビリテーションへの実用化が期待できる,スマートフォンを用いた手首の可動域推定,ASD児の診断への画像処理技術の応用,そしてジェスチャー検出に関する研究である. 人行動センシングをテーマに応用研究を進めてきたのは,最終年度の目標として掲げる,本研究の実社会への応用として,カメラに写る人の解析が適切だと考えたためである.前述の通りこれまでは人行動センシングの中でも,大きく分けて3つのテーマを行ってきたが,現段階では今後は,ジェスチャーに関する研究を重点的に進める予定である.限られた状況を想定した研究ではなく,広く一般的に人の動きの解析へと広げることができるテーマだからである.それが,よりインパクトのある実社会への応用研究になると考えている.そして,最終年度までの実験と課題の解決から,本研究の技術が実社会へ応用するに十分であるかどうかを実験により実証し,本研究テーマの完成を目指す. これまでの研究発表は学会発表が主であったが,最終年度は複数の英文学会誌への採録を目指し,当該分野から広く評価を得ることを目標とする.
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Research Products
(13 results)