2018 Fiscal Year Annual Research Report
The study of mutual use and confliction in modern japanese-korean politics and diplomacy
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17J05758
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
韓 相一 九州大学, 人文科学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 日本近現代史 / 韓国近現代史 / 日韓関係史 / 京釜鉄道株式会社 / 尾崎三良 / 対韓政策 / 加藤増雄 / 露館播遷 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、明治後期の日韓政治外交において、さまざまな側面における相互利用と相剋が、日韓関係にどのような影響を及ぼしたのかを考察するものである。 平成30年度は、京釜鉄道株式会社重役の韓国国内における活動や露館播遷(1896)以後の対韓政策に関する検討を行った。当初の研究計画に則りつつ、国立国会図書館憲政資料室及び外務省外交史料館、東京都立図書館などの国内機関並びにアメリカのニューヨーク公立図書館・フィラデルフィアカトリック歴史研究センター・議会図書館に所蔵されている未刊行資料の調査を実施した。また、公刊文書の読解や新聞・雑誌の関連記事の蒐集を行った。 これらの作業を踏まえて、以下の知見を得ることができた。論者は、まず、京釜鉄道重役の韓国における活動を、常務取締役であった尾崎三良に注目して検討した。その結果、京釜鉄道重役らが、韓国の有力者と緊密な関係を形成するために、さまざまな活動をしており、その結果、同社重役らは日韓外交問題に深く関与することになったことがわかった。なお、以上の研究成果については、2018年6月22日、東アジア近代史学会大会において「明治後期における京釜鉄道株式会社重役の渡韓について」という題目で報告を行った。 つづいて、露韓播遷以後の日韓関係の改善過程を、駐韓公使加藤増雄の活動に着目して検討した。その結果、加藤公使の働きにより、日本側が朝鮮国王の皇帝即位を積極的に認めることになり、日韓関係は改善へ向かったことがわかった。以上の研究成果について、2018年11月25日、史学会大会において「大韓帝国成立前後における日韓関係 -駐韓公使加藤増雄に着目して-」という題目で報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は研究成果の報告を2回行い、且つ日本及びアメリカに残されている史料蒐集に集中し、分析を行った。しかし、研究成果の学術論文化が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、論者は、研究成果の報告は充実に行っているものの、学術雑誌にその成果を論文化して、公表することが遅れている。来年度においては、博士論文の準備とともに、研究成果を論文として公表する作業を進める。
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Research Products
(2 results)