2018 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17J05762
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
佐藤 敬志 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 旗多様体 / 擬鏡映群 / 超平面配置 / Hessenberg多様体 |
Outline of Annual Research Achievements |
旗多様体における幾何学・代数学・組合せ論・表現論の結び付きを拡張することを目指した。具体的には、旗多様体に対応する代数学的・組合せ論的対象としてWeyl群があるが、それを擬鏡映群に拡張することを目指した。その結果、旗多様体のコホモロジー環に相当する代数学的対象(つまり擬鏡映群の余不変式環)を擬鏡映群に対応する重み付き超平面配置により記述することに成功した。この超平面配置による記述は既存の結果である旗多様体の場合の自然な拡張になっており、また旗多様体の別方向の一般化であるregular nilpotent Hessenberg多様体のコホモロジー環の記述も同様に記述される。この意味で擬鏡映群の余不変式環をそれらと同様に扱うことを可能とした。また、旗多様体の同変コホモロジー環に相当する代数学的対象(二重余不変式環)の既存の記述を変更できることを発見した。これはセル分割のような幾何学・組合せ論的に興味深い構造をもった旗多様体の類似物の具体的構成を示唆している。 またregular semisimple Hessenberg多様体の同変コホモロジー環から得られるWeyl群の表現論を調べ、どの次数にどの既約表現が現れるかを調べた。これは特にA型の旗多様体について行った。旗多様体の場合にヤング盤を用いて次数の計算ができるという既存の結果がある。これをルートの数え上げと解釈し直すことで、自然にregular semisimple Hessenberg多様体の場合の次数が決定できるという仮説を得たが、証明できてはいない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
位数が小さい場合の具体的な擬鏡映群に対応する幾何学対象をセル分割的な構造込みで具体的に構成することが当年の目標であったが、それが達成できなかったため、やや遅れている。ただし、同変コホモロジー環に相当する代数学的対象の記述を変更できたことは、具体的な構成の材料が十分に揃ったことを意味していると考えている。 またregular semisimple Hessenberg多様体の同変コホモロジー環から得られるWeyl群の表現論に関する仮説は、非常に説得力がある仮説で研究の正しい方向性が得られたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
擬鏡映群に対応する幾何学対象をセル分割的な構造込みで具体的に構成する。そのために擬鏡映群に対するBruhat順序を発見する。同変コホモロジー環の対応物の記述は擬鏡映群上の適切な順序があれば、セル分割的な構造に対し、意味をもつので、まずはBruhat順序をWeyl群から拡張することが必要である。 regular semisimple Hessenberg多様体から得られるWeyl群の表現論を明らかにする。また、より困難な課題としてregular semisimple Hessenberg多様体の同変コホモロジー環を決定する。まずはその生成元を明らかにする必要がある。これは旗多様体のSchubert類から差分商作用素の変種により得られると考えている。さらに関係式を明らかにするため、旗多様体のSchubert calculusを同様の作用素で移し替える必要があると考えている。
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Research Products
(5 results)