2018 Fiscal Year Annual Research Report
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17J05795
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
森 史子 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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| Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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| Keywords | ガイド波 / 非破壊検査 / CFRP / モード変換 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
炭素繊維強化プラスチック（CFRP）から成る接合部を有する積層複合材料のガイド波を用いた非破壊検査の実用化を最終目標として研究を行った．CFRPの異方性がガイド波の伝播形態をより複雑にしている上に，ガイド波は接合部においてモード変換を生じるため，その伝播様式は厳密には解明されてない．接合部を有する積層複合材料へのガイド波を用いた探傷法の適用には，その伝播形態を解明することが必要不可欠である．そこで，本年はCFRPから成る補強複合材料板について，接合部を透過するガイド波の伝播形態を解明することを目的として研究を行った．以下に本年の研究成果の概要を記す．
1．理論解析
CFRPから成る疑似等方積層板にCFRPから成る帯板を一体成型により接合したCFRP補強板において，位相速度分散曲線の導出と相関係数の算出を行うことにより，帯板の厚さの増加にともなってモード変換が生じ得る周波数範囲が縮小していく伝播モードを確認できた．また，実際に接合部・非接合部における変位分布を理論的に求めることにより，モード変換を生じ得る各部における伝播モードが近いモード形状を取ることを確認した．
2．実験
理論解析の妥当性を評価するために行ったガイド波の送受信実験により，接合部・非接合部間で生じ得るモード変換を理論解析によって正しく予測できていることを示した．また，接合部・非接合部間を実際に透過する波の振幅は，理論解析により算出した相関係数の相対値と定量的には一致しないことを示したが，その傾向は一致することを確認した．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度当初に提出した研究計画調書の通り，理論解析と同様の条件下で実験を行うことにより，理論解析で特定した接合部を有する積層複合材料を伝播し得る伝播モードで実際に試料内を伝播していることが確認できた．同時に，理論解析により算出した相関係数の相対値と接合部・非接合部間を透過する波の量との間に何らかの関係があることを示した．しかし，理論解析をより多くの条件下で行うべきであり，それに伴って実験も行う必要があるが，今年度中には行うことができなかった．また，相関係数からより正確に波の透過量を予測できるよう，理論解析の修正が必要であると考える．さらに，ガイド波による欠陥検出能力の検討には取り掛かることができなかった．
以上の理由により，やや遅れていると判断した．
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| Strategy for Future Research Activity |
まず，理論解析において相関係数へのガイド波の減衰および反射の影響について検討し，理論解析の修正を行う．同時に，試料の積層構成や接合部の状態など，より多くの条件下で理論解析を行う．また，層間における面内変位の大きさも算出することにより，欠陥検出能力についても理論的に検討する．
次に，ガイド波の送受信実験を理論解析と同様の条件下で行う．このとき，波の透過量を厳密に測定できるよう工夫を施し，今年度定量的に評価できていなかった部分を徹底的に改善する．また，層間剥離を有する試料についても実験を行い，理論解析による欠陥検出能力の予測の妥当性を評価する．
さらに，実験結果を理論解析にフィードバックすることで，さらなる理論解析の精度の向上を目指す．
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