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2017 Fiscal Year Annual Research Report

カイコを用いた異型精子形成における分子機構の解明

Research Project

Project/Area Number 17J05973
Research InstitutionNational Institute for Basic Biology

Principal Investigator

酒井 弘貴  基礎生物学研究所, 進化発生研究部門, 特別研究員(PD)

Project Period (FY) 2017-04-26 – 2020-03-31
Keywords異型精子 / 無核精子 / 有核精子 / 蚕
Outline of Annual Research Achievements

ガやチョウの仲間である鱗翅目昆虫は、卵と受精する有核精子と、核が脱け落ちる無核精子を形成することが知られている。本研究は、鱗翅目昆虫の一種であるカイコを用いて、無核精子の形成に関わる遺伝子を同定することを目的としている。本年度は、遺伝子の発現パターンから無核精子形成への関与が示唆されているカイコSex-lethal遺伝子 (Bm-Sxl) の機能解析とRNAシークエンス法による網羅的な遺伝子発現解析を行った。
Sxl遺伝子は、ショウジョウバエの性決定マスター遺伝子として働くことが知られているが、ショウジョウバエ以外の昆虫での機能は全く明らかとなっていない。カイコでは、Bm-Sxl遺伝子の発現パターンから無核精子形成への関与が示唆されていることから、Bm-Sxl遺伝子が無核精子形成に関与する可能性が考えられた。そこで、ゲノム編集技術であるTALEN (Transcription Activator-Like Effector Nuclease) によって作出されたBm-Sxl遺伝子変異体を解析することで、この遺伝子と無核精子形成との関わりについて解析した。その結果、Bm-Sxl遺伝子が無核精子形成に関与することが示唆される興味深い結果が得られた。
次世代シークエンサーを用いた網羅的な解析では、有核精子形成の減数分裂が起こる時期の精母細胞と無核精子形成の起こる時期の精母細胞での遺伝子発現を比較した。その結果、有核精子形成の減数分裂が起こる時期と無核精子形成の減数分裂が起こる時期の精母細胞で発現差を示す603遺伝子が同定された。このうちのいくつかに興味深い遺伝子が得られたので、来年度はこれらの遺伝子について解析を行う予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は、Bm-Sxl遺伝子の機能を解析することによって、無核精子形成に関する興味深い知見が得られた。本研究成果に関して、現在、学術論文の投稿に向けて執筆を行なっている。
また、次世代シークエンサーを用いた網羅的な解析では、有核精子形成の減数分裂が起こる時期と無核精子形成の起こる時期の精母細胞で発現差を示す603遺伝子が同定された.

Strategy for Future Research Activity

有核精子形成の減数分裂が起こる時期と無核精子形成の起こる時期の精母細胞で発現差を示す遺伝子が得られたので、来年度はこれらの遺伝子の無核精子形成への関与について解析を行う予定である。また、本年度の研究によって、Bm-Sxl遺伝子の無核精子形成への関与が明らかとなったので、この遺伝子の標的遺伝子を探索することで、無核精子形成に関わる分子について明らかにしていく予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2018 2017

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] カイコSxl遺伝子は無核精子形成に必須である2018

    • Author(s)
      酒井弘貴, 大島宏之, 由利昂大, 後藤寛貴, 大門高明, 柳沼利信, 佐原健, 新美輝幸
    • Organizer
      平成30年度 蚕糸・昆虫機能利用学術講演会
  • [Presentation] TALENを用いたBm-Sxl遺伝子の機能解析2017

    • Author(s)
      酒井弘貴, 新美輝幸
    • Organizer
      第3回蚕糸・昆虫機能利用関東地区学術講演会
  • [Presentation] カイコSex-lethalホモログは、異型精子の一種である無核精子の形成に必須である2017

    • Author(s)
      酒井弘貴, 大島宏之, 由利昂大, 後藤寛貴, 大門高明, 柳沼利信, 佐原健, 新美輝幸
    • Organizer
      2017年度 生命科学系学会合同年次大会

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Published: 2018-12-17  

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