2019 Fiscal Year Annual Research Report
圏論的モデル理論の新展開:分類トポスの手法、およびモデル理論の代数幾何化
Project/Area Number |
17J06041
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
荒武 永史 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
|
Keywords | 圏論的一階述語論理 / モデル理論 / Galois圏 / 分類トポス / 存在閉モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度の序盤は昨年度に引き続き、モデル理論におけるガロア理論的現象の圏論化について研究した。特に、最も古典的なケースであるPoizatの意味でのガロア対応(ここではPoizat対応と呼ぶことにする)を圏論化した。Casanovas & Farreの先行研究により、理論TについてPoizat対応が成り立つためには、「Tがガロア有限集合のコードを持つ」という条件が必要十分であることが示されている。そこで本研究では、「ガロア有限集合のコードを持つ」の仮定の下で、Poizat群を基本群に持つようなガロア圏を構成した。この結果とガロア圏の表現定理より、(Casanovas & Farreの方法とは異なる)Poizat対応の別証明が得られた。
残りの期間は、存在閉モデルの分類トポスの研究をした。∀∃-理論に対する存在閉モデルの分類トポスの構成は、Blass & Scedrovによって与えられていた。しかし、この構成に使われているsiteの定義や、一般のGrothendieckトポスにおける存在閉モデルの定義は、一見すると技術的で自然な定義に見えない。そこで本研究では、タイプ排除による存在閉モデルの古典的特徴づけを利用することで、上述の定義たちにモデル理論的に自然な解釈を与えた。タイプ排除による分類トポスの構成は、存在閉モデルだけでなく様々なモデルのクラスに適用できるので、さらなる応用の余地があると思われる。また、存在閉モデルの分類トポスを分析することによって、次の結果を得た: ∀∃-理論Tがjoint embedding propertyを持つとき、存在閉T-モデルの分類トポスはtwo-valuedである。この結果は、古典モデル理論で知られている命題のトポス理論的な一般化になっている。
|
Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(6 results)