2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17J06162
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平野 央人 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | CRISPR-Cas / 結晶化 / X線結晶構造解析 / 構造生物学 |
Outline of Annual Research Achievements |
CRISPR-Cas機構は原核生物がもつ獲得免疫機構であり、ファージやプラスミドなどの外来核酸を切断し細胞内から排除することによって防御機構として機能する。近年、単一のタンパク質がエフェクターとして機能し、RNAを特異的に認識し切断するタイプVIのCRISPR-Cas機構が発見された。本研究ではタイプVIのCRISPR-Cas機構に属するC2c2のRNA依存性RNAエンドヌクレアーゼ活性に関わる分子機構の解明のために、C2c2-crRNA-target RNAの3者複合体の構造解析を行った。複数の生物種に由来するC2c2をスクリーニングした結果Leptotrichia wadei由来のC2c2(LwC2c2)の大量発現および精製に成功した。さらにLwC2c2、crRNAおよびtarget RNAを混合しゲルろ過クロマトグラフィーによって単離することにより、高純度のLwC2c2-crRNA-target RNA複合体を得た。これを用いて結晶化スクリーニングを行ったが、構造解析に適した結晶を得ることはできなかった。そこで、LwC2c2のディスオーダー領域を欠損させた変異体を作成し、結晶化に用いるRNAの長さおよび塩基配列を検討して結晶化したところ、良質な結晶を得ることに成功し、大型放射光施設SPring-8におけるX線回折実験により4.6Å分解能における回折像を得た。さらに、セレノメチオニン置換体を用いたSe-SAD法により位相を決定し、低分解能ながらも構造解析に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究員は修士2年次の後半に新しいテーマとしてCRISPR-C2c2の結晶構造解析を開始した。CRISPR-C2c2の構造解析は基礎・応用研究の両面において極めて重要度が高く、国内外における激しい研究競争があることが予想された。そこで、受入研究者との相談の結果、本年度はCRISPR-C2c2の構造解析に集中することになったため、本研究課題は予備実験に止まっている。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り、GRBC1-7の昆虫細胞を用いた発現、精製を行い、X線結晶構造解析およびクライオ電子顕微鏡を用いた単粒子解析によって原子分解能における立体構造の解明を目指す。
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Research Products
(1 results)