2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17J06545
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
濱田 洋輔 東京大学, 大学院情報学環, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 哲学的人間学 / 倫理学 / ダーウィン / 進化論 / カッシーラー / プレスナー |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度の研究成果の一部は、日本倫理学会の大会において発表された。「道徳・社会問題における進化論的視点の意義」と題したその発表では、進化論的な視点がなぜ、またどのような点で人間の道徳・社会問題の理解および解決にとって重要な意味を有するのかということを、人間における集団帰属意識(内集団贔屓)という具体的観点から示した。 研究成果は論文の形でも纏められたが、その一つは『哲学・科学史論叢』に見ることが出来る。「ダーウィン進化論の観点から見たプレスナー哲学的人間学の根本問題」と題されたこの論文では、プレスナーの人間学の骨子を――彼の(不当な)ダーウィン批判を軸に――確認したうえで、その骨子に存する決定的な問題点(つまりこれからの人間学が避けるべき問題点)をダーウィン進化論の観点から明らかにした。 また、「エルンスト・カッシーラーの書かれなかった倫理学―その根幹、問題、意義」と題した論文も、間もなく『倫理学年報』にて発表される予定である。なぜカッシーラーは晩年になって急に新しい倫理学構築の重要性を説くようになったのか。にも拘らず、なぜ彼は結局自身の倫理学を書かなかったのか。当該論文はこうした問題を皮切りに、彼の未完の倫理学の骨子、問題、意義を明らかにしたものである。つまり論文の主眼は、(書かれなかった)カッシーラー倫理学の基礎構造の提示及びその構造の批判的検討にあるが、その基礎構造が彼の人間観(人間学)に依拠していることを明らかにしている点で、当論文は本研究全体の主眼である「人間とは何か」という問題と直接に結びついたものとなっている。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)