2017 Fiscal Year Annual Research Report
Decolonization in Micronesia and Postwar Japanese Society
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17J06645
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
長島 怜央 明治学院大学, 社会学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 植民地支配 / 戦争 / 記憶 / グアム / 北マリアナ諸島 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度においては、戦後の日本とマリアナ諸島の人びとのあいだで行われてきた交流(相互作用)に関する現地調査を、ほぼ予定通り行なうことができた。サイパン(8~9月)、グアム(2月)、テニアン(3月)と現地調査を計3回行ない、今後の調査のための基礎固めをすることができた。 現地では、植民地支配や戦争に関する慰霊碑・モニュメント・戦跡の実態調査、政府機関等における資料調査、参与観察、当事者・関係者へのインタビューなどを行なった。調査を行なった機関は、サイパンでは北マリアナ大学CNMIアーカイブズ、北マリアナ政府の歴史保存課、人文会議、観光局、グアムではグアム大学、グアム博物館、太平洋戦争国立歴史公園ビジターセンターなどである。インタビューを行なった当事者・関係者は、日系人、チャモロ人、カロリン人ら計30名におよぶ。以上のような現地調査の事前準備や事後整理をしながら、データの分析や考察を行なった。 それと並行して、国内外の学会や研究会での発表を行なった。6月には香港でのInternational Studies Associationの研究大会、9月には米国サイパンでの3rd Marianas History Conference(第3回マリアナ歴史会議)で研究発表を行なった。国内でも、11月に日本社会学会、3月に日本オセアニア学会の研究大会で研究発表を行なった。そのほかに、英語論文、日本語論文、著書(分担執筆)、書評、報告などを多数執筆し、それらのいくつかはすでに刊行されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地調査をほぼ計画通り実施し、資料調査やインタビューを多数行なうことができた。また、国内外での研究発表も、計画に基づいて一定数行なうことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの調査でまだ十分に取り組めていない部分もあり、今後の課題も自覚している。また、当初は想定していなかった興味深い事例や対象との出会いもあり、それらを今後の調査に含めていく予定である。
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Remarks |
キース・L.カマチョ(長島怜央訳)「「戦争の記憶」の状態─太平洋諸島における対立と連携に関する省察─」『戦争社会学研究』第2巻、2018年5月予定 長島怜央「書評:キース・L.カマチョ『戦禍を記念する:グアム・サイパンの歴史と記憶』」『戦争社会学研究』第2巻、2018年5月予定 長島怜央「近代史部会 石原報告批判(2017年度歴史学研究会大会報告批判)」『歴史学研究』第965号、2017年12月
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Research Products
(7 results)