2017 Fiscal Year Annual Research Report
スケール依存性を考慮した帯水層の熱分散長予測モデルの構築
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17J06834
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
万代 俊之 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 熱分散 / 土壌水分 / 熱・物質移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
H29年度の研究目的は、今後研究で使用する実験装置の設計・製作および試験稼働であった。日射の日変化が地中の温度や水分変化に与える影響を検討するために、室内実験装置を設計した。太陽光からの放射を模したセラミックヒーターに与える電圧を時間変化させることで日射の日変化を再現することを試みた。供試土壌として豊浦砂を使用することとした。 豊浦砂を充填するためのアクリルカラムを設計・作成した。具体的には、内径12 cm・高さ2 cmのアクリルリングを積み重ね、側面にセンサーを挿入するための穴を空けた。土壌中の水分量・温度・土壌内圧力・熱フラックスを測定することとし、これらの測定に必要なセンサーを購入した。 使用する水分センサーであるEC-5は測定対象の土壌の種類によって出力値が異なる。そのため、本実験で使用する豊浦砂に対してキャリブレーションを行った。具体的には、水分センサーを挿入した内径12 cm・高さ7 cmのアクリルカラムに豊浦砂を充填し、土壌の水分量と水ポテンシャルの関係である水分特性曲線を測定するために実施する吸引法と同様の方式で水分センサーのキャリブレーションを実施した。 温度測定に際し、従来の研究で使用していた熱電対よりも測定精度の高い白金測温抵抗体を用いることにした。白金測温抵抗体は温度が上昇すると、抵抗が大きくなる性質をもち、その抵抗をデータロガーで測定できる電圧に変換する電気回路が必要である。そのため、そのような電気回路を設計し、その電気回路をもとにプリント基板を作成した。そのプリント基板を用いて白金測温抵抗体の抵抗を測定したところ理論値に近い結果が得られた。さらに、電子回路内の可変抵抗体の抵抗を決定するために、0℃の氷水と60℃の温水を基準とした校正を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本実験データを収集する段階にまでは至らなかったが、実験装置の設計・作成が終了し、各種センサーの校正作業も進んでいる。次年度からは本格的にデータを収集できる準備が整ったと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
H29年度に作成した実験装置を使用して実験データを収集する予定である。具体的には、日射を模したセラミックヒーターから与えられる放射によって変化する土壌温度と土壌内の水分の関係について調べる。実験結果を数値解析の結果と比べることで数値解析に用いるモデルやパラメータの妥当性について検討する。
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Research Products
(2 results)