2019 Fiscal Year Annual Research Report
明治政治史の再構築―民力休養・対外硬路線に着目して―
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17J06899
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
久野 洋 神戸大学, 人文学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 犬養毅 / 対外硬派 / 進歩党 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、明治期の中央政界における対外硬派・進歩党系勢力の動向について、犬養毅の政治動向・政策構想に注目して明らかにした論文を発表した。また史料調査についても、1~2年度目と同様、岡山県のみならず関西・関東地方の資料館・文書館を中心に継続的に進めた。具体的な研究成果と実施した調査は、以下の通りである。 まず「日清戦後の対外硬派」(『日本史研究』685号、2019年)は、京都府京丹後市教育委員会所蔵「稲葉家文書」に含まれる新出史料「大手倶楽部報告」を用いて、日清戦後に対外硬派勢力が薩摩閥の元老・松方正義に政治的に接近していく過程を明らかにした。この成果も踏まえ、「犬養毅の対外論」(瀧口剛編『近現代東アジアの地域秩序と日本』大阪大学出版会、2020年)では、明治中期における犬養毅の対外論に着目して、犬養の国家構想が北清事変期に「支那保全」=貿易立国構想として整理されていくことを解明した。このように、本年度は、当初の研究計画通り、中央政界における犬養・対外硬派勢力に関する分析を進め、2本の学術論文を発表することができた。 この2論文を準備する過程では、内務省研究会、大阪大学政治史研究会、第四回東アジア日本研究者協議会国際学術大会など、複数の学会・研究会で口頭報告をおこなった。そうした場で明確となった課題を克服するべく、史料調査を継続しておこなった。具体的には、東京大学大学院法学政治学研究科附属近代日本法政史料センターや岡山県立記録資料館、岡山県立図書館、野崎家塩業歴史館で、犬養毅や犬養の政治的支援者、岡山県内の有力政治家の史料を閲覧・収集した。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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