2019 Fiscal Year Annual Research Report
2つの鉄原子が協働する新規二核不斉スピロイソシアニド鉄(0)錯体の設計とその応用
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17J06918
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮澤 拓 北海道大学, 生命科学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 二核金属触媒 / ルテニウム / ナイトレノイド / カルベノイド / ルイス酸触媒 / 触媒回転数 |
Outline of Annual Research Achievements |
二核鉄(0)触媒を用いた不斉C-H官能基化反応では良好な成績は得られなかったものの、キラル二核Ru(II,III)触媒を用いた不斉反応開発では、ナイトレノイドの反応、カルベノイドの反応、ルイス酸触媒反応で非常に良い成果を得ることができた。ナイトレノイドを用いた不斉アミノ化反応と、カルベノイドを用いた不斉シクロプロパン化反応では、いずれも非常に高いエナンチオ選択性を達成することができた。これら反応は酸化条件で行うと、既存のRh(II,II)触媒では良好な成績を与えない場合も存在していた。そのため既存のRh触媒との比較実験を行ったところ、新たに開発したRu(II,III)触媒は酸化条件でもその機能を失うことなく良好な成績を与えることがわかった。さらにRu(II,III)触媒をルイス酸触媒として用いた不斉ヘテロ-Diels-Alder反応では、先と同様に高い選択性が実現可能なだけでなく、触媒量を大幅に低減させることも可能であった。高いルイス酸性と堅牢性を兼ね備えた触媒であるといえる。 また本研究で開発した新規不斉触媒の性能を詳細に理解すべく、触媒の物性評価も行った。各触媒の立体構造はX線結晶構造解析から明らかとした。これらは既存のRh触媒と同様に、有効な不斉空間を有していた。さらに酸化耐性の評価としてCV測定を行い、既存のRh触媒よりも高い酸化還元電位を有することを明らかとした。また、EPR測定も行い、Ru(II,III)中心の価数を評価した。 以上の知見から、今後も既存のRh触媒にはない、新規キラル二核Ru(II,III)触媒の優位性や独自性を利用した不斉反応開発の創出が期待される。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)