2018 Fiscal Year Annual Research Report
Clarification of phylogenetic evolution and species diversity for subfamily Aphodiinae
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17J07016
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
柿添 翔太郎 九州大学, 生物資源環境科学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | マグソコガネ亜科 / Aphodiinae / コガネムシ上科 / 好白蟻性 / 種多様性 / 系統学 / 昆虫分類学 / コガネムシ科 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、マグソコガネ亜科Aphodiinaeの分子系統解析を実施し、食性や生息環境といった生態的特性の違いが種の多様化に与える影響を検証することを目的としている。2018年度は野外調査と分類学的研究を重点的に実施した。野外調査は国内に加えてケニア、タイ、ラオス、台湾にて実施した。特にケニアにおいては、属レベルでも種レベルでも非常に多様なDNAサンプルおよび形態サンプルを収集することに成功した。 DNA実験も予定通り進め、マグソコガネ亜科のほぼすべての族に関して配列決定を行った。また、残りの族に関しても、共同研究者と協力しながら、すでに入手済みである。系統解析の結果の一部は、2018年9月に名城大学で行われた日本昆虫学会第78回大会で口頭発表を行った。 分類学的研究に関しては、好白蟻性種が含まれるStereomerini族およびカクマグソコガネ族を中心に進め、そのうちCheleion属の新種記載および同属のオスの記載を行い、Zookeys誌にて出版された。また、本研究の過程でボルネオから見つかったカクマグソコガネ族の新属新種の記載を行い、Zootaxa誌にて出版された。それ以外にも、10を超える未記載種の存在が明らかとなった。また、標本調査をチェコ国立博物館(チェコ・プラハ)、パリ自然史博物館 (フランス・パリ)、ロンドン自然史博物館 (イギリス・ロンドン)の3箇所で行い、アフリカや旧北区を中心としたマグソコガネ亜科のタイプ標本の検討を進めることができた。また、それらの博物館に在籍するコガネムシ上科の研究者との意見交換や共同研究の議論も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
野外調査によるDNAサンプルの収集は引き続き順調にすすめることができた。また、分子実験に関しても、各種条件を改良することにより、順調に進めることができた。分類学的研究に関しては、把握している未記載種のうち、2つの属に関してはそれぞれ査読付き雑誌に投稿し、出版された。また、現在検討中の分類群に関しても、本年度実施した調査で博物館調査でホロタイプの検討を行うことができたため、翌年度投稿予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は手元にある主要なサンプルの系統解析を完了させ、当初の目標である生態的特性の違いが種の多様化に与える影響を検証する。そのためにも、系統解析と並行して、文献情報や口器形態などに基づく生態的特性の取得に注力する。また、適宜把握している未記載種の記載と論文執筆を進める。
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Research Products
(5 results)