2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17J07229
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上田 喬介 名古屋大学, 創薬科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | 7員環構築 / 不斉第四級炭素の構築 / 共通大員環の構築 |
Outline of Annual Research Achievements |
デンサニンAおよびBの主骨格の7員環と共通大員環の構築を行った。 まずディールズアルダー反応によってシクロヘキセン(6員環構造)を簡便に構築したのち、シクロプロパン化反応(3員環構築)と加熱による3員環構造の開環によって、環を拡大し7員環構造を構築した。その後、脱ブロモ化反応と1,2-付加反応によって大員環の架橋鎖に相当する炭素鎖の導入をした。得られた化合物のTBSエーテル部位を一炭素増炭しつつノシルアミドへと変換した。続いてPCCを用いたアリルアルコールの酸化的転位反応によって不飽和ケトンを得た。次に酸素原子の保護基を除去し分子内光延反応を行うことで共通含窒素大員環を構築した。Ns基を安定なTs基へと変換し、ニトロメタンの1,4-付加反応による第四級炭素の構築を行った。この際、あらかじめ構築した大員環の架橋鎖が立体障害となることで、高立体選択的かつ高収率にて不斉第四級炭素の構築に成功した。その後、アセタール部位を含むカーバメートへと導き、加熱することでオキサゾロン環の構築に成功している。 【現在および今後の検討】 現在までにデンサニンAおよびBの構造の約70%構築に成功しており、ピロリジン環(B環)の構築を検討している。これはオキサゾロンを酸性条件にすることでアシルイミニウム塩が生成し、立体障害の少ないexo面からマンニッヒ反応が進行することで、ピロリジンが得られると想定している。最後にケトンのα位にカルボニル等価体を導入し、アミンからの環化と酸化反応によってピロール環を構築することで、共通鍵中間体を合成する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ピロリジン環構築反応は研究計画通りに進行せず、迂回策を講じる必要があったが、研究は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
ピロリジン環構築とピロール環構築が達成できれば、デンサニンAおよびBの世界初の合成が可能になるだろう。ピロリジン環構築も解決されつつあるので、今後は当初の計画通り研究を進めていく予定である。
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Research Products
(1 results)