2019 Fiscal Year Annual Research Report
A Case Study of Funeral and Burial Customs in Modern East Asia: A Comparison of Japan, China and Taiwan
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17J07250
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Research Institution | Taisho University |
Principal Investigator |
大場 あや 大正大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 葬儀の変容 / 葬儀の省力化 / 新生活運動 / 生活改善 / 戦後の民主化 / 行政と住民 / 住民運動 / 住民組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近代化による社会変動が地域社会における葬送墓制とその担い手組織にどのような影響をもたらすのか、宗教社会学的な視点からアプローチを試みるものである。 採用3年度目は、新生活運動や葬儀改革などの諸政策に焦点を絞る形で調査を行った。 ①これまで調査を進めてきた山形県最上郡最上町における葬儀の互助組織「契約講」の組織変容を跡付けた。それを踏まえ、当町における戦後の葬儀の省力化過程を住民の主体的活動および行政との関係、町の財政状況等に注目して分析した。当町では社会教育課・婦人会・青年団を中心に、町づくり運動の一環として新生活運動が取り組まれ、火葬場建設や霊柩車導入に影響を与えたことが明らかとなった。この成果は、2020年度内に論文として公表する予定である。 ②新生活運動に関して、「中央」と「地域」の2つの視点から地域社会における展開メカニズムを分析してきた。山形県の事例では、多くの地域で香典返しや賄いの廃止が掲げられたが、実践報告等からは、「廃止」ではなく、結婚衣装、葬具、霊柩車等の共同購入・共同利用という方向に変化が見られたことが理解された。加えて本年度は、群馬県・栃木県・新潟県・北海道においても補足的に文献調査を実施した。特に群馬県では、オイルショック後の1975年、資源を大切にする運動の一環として香典に関する項目に特化した運動が開始・展開された。これは他県と異なる流れを汲むものである。よって新生活運動の実践は、「廃止」型・「共有」型・「新生活」型にひとまず分類できるだろう。本成果は、2019年の日韓次世代学術フォーラム、日本宗教学会、日本社会学会にて口頭発表を行った。 ③中国および台湾における葬儀改革(「殯葬改革」)の歴史や葬送に関する法令・条例、および新生活運動に関する文献資料を蒐集した。各地の葬送習俗への影響や政府・行政との関係など、日本との比較に向けて分析を進めている。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Remarks |
・「葬儀の簡素化と香典―群馬県・栃木県における「新生活」の定着―」『宗教研究』93(4)、2020年3月、372-373頁。 ・「ブックレビュー 森岡清美著『新版 真宗教団と「家」制度』」『宗教と社会』26、2020年6月。 ・「「宗教浮動人口」と骨仏―その先駆性と意義―」(テーマセッション「『現代人の信仰構造』の成果と課題」)『宗教と社会』26、2020年6月。
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Research Products
(8 results)