2018 Fiscal Year Annual Research Report
ブレンドカーボンナノチューブ表面上におけるDNA鎖交換の試み
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17J07490
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
大浦 秀介 東京理科大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | 単層カーボンナノチューブ / RecA蛋白質 / DNA / フォトルミネッセンス / 原子間力顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】 我々は先行研究において、一本鎖DNA結合蛋白質として知られるRecA蛋白質を用い、DNAと単層カーボンナノチューブ(SWNT)との複合体であるDNA-SWNT複合体の生化学的評価を試みた。その結果、RecAはSWNT表面のDNAを、DNAとして正確に分子認識して結合できるとの知見を得ている。本研究では、SWNTの構造特異性に着目し、特定のカイラリティを有するSWNTとDNAの複合体に対する、RecAの分子認識の寛容さを調べた。 【結果】 得られた原子間力顕微鏡(AFM)画像中のSWNTを断面解析したところ、(dT)30-(6,5)SWNTにRecAを反応させた試料では、SWNTの高さが約1.5~2.0 nm増加し、SWNT表面の形態にも顕著な違いが確認された。一方、(dT)30-(7,6)SWNT試料では、RecAを反応させてもSWNT表面に吸着物は殆ど確認されなかった。また、SWNTのPL測定では、(dT)30-(6,5)SWNTにRecAを反応させた試料では、PLの発光強度に顕著な減少が確認された。これは、SWNT表面をRecA蛋白が被覆したことで、発光強度が抑えられたことが原因と考えられ、AFM観察の結果と一致するものである。 一般にRecA蛋白質は、DNAのリン酸部分を認識して結合することが知られているため、以上の結果は、一本鎖DNAのSWNTへの吸着様態はカイラリティによって異なることを示唆するものである。具体的には、本研究で用いた一本鎖DNAのSWNTへの吸着様態として、(6,5)SWNTの方ではDNAの塩基側がSWNT側面に、リン酸部分を保存したままに溶液中へ向けて吸着しているものが多い一方で、(7,6)SWNTでは、一本鎖DNAの吸着過程において、リン酸部分が上手く保存されていない状態で吸着していると考えられる。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)