2017 Fiscal Year Annual Research Report
医薬品共結晶の製剤物性向上を目的としたビッグデータ解析と回帰予測に関する研究
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17J08210
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
大塚 裕太 徳島大学, 大学院 薬科学教育部, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | ビッグデータ解析 / 結晶工学 / 共結晶 / メカノケミカル合成 / 物理化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
医薬品の創製において,候補化合物の物理化学的安定性や溶解性は製剤化の可否を握る重要な因子の一つである。溶解度の改善のために,医薬品と親水性を有する化合物との水素結合による共結晶化が注目されている。一般に共結晶の合成には,メカノケミカル合成法と溶媒留去法がある。溶媒留去法では,晶析に用いる共結晶化剤が結晶形に影響を与えることが知られている。合成された共結晶の結晶工学的解析には熱分析,粉末X線回折,赤外分光による解析が一般的である。テラヘルツ分光は電波の物を通る性質と光の直進する性質を併せ持った,医薬品結晶の解析に最適な周波数領域であることが知られている。 申請者らはこれまでに,粉末X線回折に基づくビッグデータ解析を用いた医薬品原末の定量方法を報告してきた。ビッグデータ解析の1つである多変量スペクトル分解-交互最小二乗法(MCR-ALS法)を用いることで原末量を高い精度で定量予測できることを示した。そこで申請者らは,医薬品共結晶のメカノケミカル合成と溶媒留去法において機械的エネルギーと温度がどのような影響を与えるか,そして分子間相互作用と結晶性の違いについて調査した。 共結晶のメカノケミカル合成における生成量相対値は,自動ピストン乳鉢スターラーの回転数に依存性があることを示唆された。これは,スターラーの回転数の上昇に伴って,より多くの機械的エネルギーが与えられ,この結果,共結晶生成速度定数が上昇したためと考えられる。本研究におけるスターラーの回転数の上昇は,物質表面のアモルファス化にも有効になりうると考えられた。ATR-IRスペクトルの測定結果から,結晶形の変化による各官能基の赤外固有振動のシフトが示された。低温状態においては分子間の相互作用が強くなりピーク分解能が高くなったことが示唆された。温度変化に伴って結晶構造が変化する相互作用がテラヘルツスペクトルによって示された。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(2 results)