2017 Fiscal Year Annual Research Report
計量理論による交渉ゲームの構造推定の研究と我が国の薬価制度の実証分析
Project/Area Number |
17J08296
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村上 愛 東京大学, 経済学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 医療経済 / 薬価 / ゲーム理論 / 構造推定 / 計量経済学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究を遂行するにあたり、下記の3項目を実施した。 (1)[薬価制度に関する調査]厚生労働省の中央社会保険医療協議会によって議論された資料などを用いてここ数年の制度変更を調査した。特に中央社会保険医療協議会の薬価専門部会における審議会資料は制度変更の経緯などを様々な利害関係者が議論している貴重な資料であった。中でも後発医薬品の市場参入時の価格の決め方に関する議論は、医薬品産業の卸売段階の交渉において先発医薬品と後発医薬品の交渉価格が互いに影響しあっていることを示唆するものであった。 (2)[交渉ゲームに関するミクロ理論分析]本研究テーマを遂行するにあたり、推定対象となるゲーム理論の交渉モデルのミクロ理論分析が既存研究で十分に議論されていないことが判明した。ミクロ理論分析のみであっても学術研究として論文発表が可能と予想し、交渉ゲームのミクロ理論的な研究をおこなった。先駆的研究をおこなったRubinstein(1982)の論文をはじめ、基礎的な文献の理解をすすめ、独自のモデルを考案した。具体的には、outside optionが存在する繰り返し交渉ゲームを構築し、均衡の存在と条件を分析した。 (3)[計量理論による推定手法の理解と研究]本研究は繰り返しゲームの構造推定をめざすため、動学ゲームの構造推定の研究をおこなった。特に、動学ゲームの構造推定を研究するBajari, Benkard, Levin(2007)など、関連する分野として動学的参入退出ゲームや動学的オークションの推定について先行研究の調査をおこなった。また動学ゲームだけでなく静学ゲームにおいて複数均衡が存在する場合の推定手法についての理解を試みた。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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