2017 Fiscal Year Annual Research Report
スピン非局在型有機ラジカルの共役ポリマー合成とその自己組織化
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17J08343
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤川 鷹王 愛知工業大学, 工学部応用化学科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 有機二次電池 / 正極活物質 / ポリマー材料 / スピン |
Outline of Annual Research Achievements |
トリオキソトリアンギュレン(以下TOT)は多段階レドックス能を示すスピン非局在型有機ラジカルであり、従来のリチウムイオン二次電池の正極活物質であるコバルト酸リチウムの代替となる材料として注目されている。本研究課題ではTOTの共役ポリマーの合成と組織化を行い、TOTの潜在能力を最大限に引き出した高容量かつ高速充放電可能な有機二次電池の開発を最終目的としている。本年度はその第一段階として、[1]アミノ基を有するTOT誘導体の合成および二次元シート状ポリマーの合成研究、[2]一次元螺旋ポリマーの合成研究を行った。正三角形の構造をとるTOTに3つのアミノ基を導入したアミノ化TOT誘導体は、複数のホルミル基をもつアルデヒドとシッフ塩基を形成させることにより二次元シート状ポリマーを与えると予想できる。種々検討を行い、三臭素置換TOTを出発原料としてp-アミノフェニル基を導入したTOT誘導体を合成した。本基質をルイス酸触媒であるスカンジウムトリフラート存在下、テレフタルアルデヒドと反応させることによって二次元ポリマーと思われる茶褐色の沈殿物が与えることを確認している。また2つの反応性置換基をもつTOT誘導体をカップリング反応により重合させると、筒状の構造を有した螺旋ポリマーが得られると予想できる。そこでまず高い重合度をもつ可溶性ポリマーを得るために、長鎖アルキル基をもつモノマーTOTを合成した。ジエチニルベンゼンとの共重合によりポリマーと考えられる不溶性の黒色固体が得られた。より溶解性のある一次元ポリマーを合成するためにはより長鎖のアルキル基や分岐構造をもつ置換基を導入する必要があると思われる。現在得られたポリマーはいずれも不溶性であり、今後は粉末X線解析や固体NMR法による解析が必要と考えられる。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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