2017 Fiscal Year Annual Research Report
藻類バイオ燃料実用化への挑戦~生産物の排出促進による大量生産の実現~
Project/Area Number |
17J08354
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加藤 明宏 名古屋大学, 生命農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | バイオ燃料の生産性向上 / RND型多剤排出ポンプの機能解析 / 水-有機二層培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、バイオ燃料の細胞外高生産系を構築し、バイオ燃料の経済的・エネルギー的生産性を向上させることである。具体的には、原核光合成生物であるラン藻Synechococcus elongatus PCC 7942に遺伝子操作を施し、遊離脂肪酸(FFA)が細胞内で生産され、細胞外へと放出される系を利用する。これまでの研究から、S. elongatusのFFA生産株は、細胞内に過剰に蓄積したFFAによって深刻な生育不良を起こすことが明らかとなっている。そのため、FFAの生産性を向上させるためには、FFAの生産能力と排出能力のバランスを最適化し、FFAの細胞内への蓄積を防ぐ必要がある。 先行研究により、有機溶媒を培地に重層した水-有機二相培養法によって、FFA生産株の生育不良が著しく改善されることが示されている。そこで、二層培養時におけるFFA生産株の細胞内外のFFA量の経時変化を調べた。細胞内のFFA量は、コントロールである単層培養と比べて15分の1にまで減少していた一方で、細胞外に放出されたFFA量は単層培養の3倍以上に増加していた。これらの結果は、二層培養によってFFAの受動拡散が効率的に促進されることを示すとともに、生産性を向上させるためにはFFAの生産能力の向上が必要であることを示唆している。 FFAの生産能力が強化された場合、続いてFFAの排出能力を強化する必要がある。そこで、FFAの能動輸送を強化するために、内在性のRND型FFA排出ポンプの構成成分である外膜チャネルタンパク質を探索し、その機能解析を行った。すると、この外膜チャネルタンパク質は細胞外から細胞内へのFFAの流入も引き起こしうることが示唆された。この結果は、FFAの排出能力を強化する上で重要な情報となるだけでなく、ラン藻の外膜チャネルタンパク質の機能解析といった基礎研究にとっても重要な知見である。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(4 results)