2017 Fiscal Year Annual Research Report
うつ病原因蛋白p11によるコリン作動性介在神経細胞を介したシナプスの形態制御
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17J08437
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
北原 陽介 群馬大学, 生体調節研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | うつ病 / シナプス / 行動解析 / マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
精神疾患はがん、糖尿病、脳卒中などと並び5大疾病の一つされており、その中でもうつ病は最も多い疾患とされている。うつ病患者の死後脳ではシナプスの障害が報告されており、シナプスがうつ病の病態に関与することが考えられた。しかし、うつ病の病態生理にどのようにしてシナプス病変が関与しているかについては不明である。 本研究では、うつ病の病態生理とシナプス障害の関係について明らかにする。うつ病では、抑うつ症状、興味・喜びの消失や認知機能の低下などの症状があり、本疾患の病態生理を押さえる上で、これらの症状をうつ病モデルマウスの行動テストにおいて評価することは重要であると考えられた。 本年度は、うつ病モデルマウスのシナプスの形態解析を行う前段階として、うつ病モデルマウスの認知機能の低下を評価するため、新規探索物体試験の立ち上げに取り組み、行動テストの評価系として確立することができた。また、すでに当研究室で立ち上げられている行動テストと、新規探索物体試験を組み合わせて、モデルマウスのうつ様症状を評価する実験系の検討を開始した。このことによって、1つの行動指標ではわからないような個体ごとのマウスの特徴を横断的に捉えることができるようになると考えている。また、この行動評価の確立は、うつ様症状とシナプス障害との関係を見出す上でも、とても重要であり、次年度のうつ病モデルマウスのシナプスの形態解析の基盤となる行動評価が確立しつつあると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
うつ病モデルマウスの横断的な行動評価は確立しつつあるが、当初の計画よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
うつ病モデルマウスの横断的な行動評価を確立しつつある。今後はこれらの行動テストをもとにして、うつ様行動とシナプス障害と関係について明らかにする。
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