2017 Fiscal Year Annual Research Report
項構造の第二言語習得―主語の特異性に関する理論的・実証的研究―
Project/Area Number |
17J08605
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 一徳 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | 第二言語習得 / 名詞修飾節構造 / 関係節 / 言語理解 / 言語産出 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、日本語を母語とする英語学習者を対象に、英語の文法項目の第二言語習得研究を行うことを目的としてきた。具体的には、名詞修飾構造(関係節)の第二言語習得のメカニズムを解明することである。 本年度は特に、言語理論研究の外観をし、実験的研究への応用を検討した。言語理論の外観については、相対的最小性条件(Relativized Minimality)について扱われている先行研究の批判的検討を行った。また、相対的最小性条件を基盤として行われている第二言語習得研究に関する研究の外観も行った。そして、本研究において、相対的最小性条件を第二言語習得研究にどのように応用するか等、実験的研究への可能性を考える上で、反応時間測定実験立案のためのソフト(SuperLab、Linger)の操作方法の習得や、一般化線形混合効果モデル(Linear-Mixed Effect Model: LME)という統計分析の手法を身につけた。現在は、予備実験の実施に向けて準備中である。先行研究の見直しや本研究の進展に伴い、日本語を母語とする英語学習者にとどまらずに、日本語を非母語とする日本語学習者や継承後話者を対象とした実験も立案中である。 知識・技能の習得と並行して、学会発表や論文投稿も行った。学会発表は、第二言語習得学会(6月)、MAPLL-TCP 2017(7月)、日本語文法学会(12月)、第二言語習得研究会(12月)において、研究成果を報告した。また、投稿論文については、現在2件の論文が審査中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
言語理論に関する先行研究の外観に時間を要した。また、実験の対象者を日本語を母語とする英語学習者にとどまらずに、日本語学習者や継承語話者を考慮することに関する検討に時間を要した。それに伴い、予備実験の立案にやや遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、予備実験・本実験を実施し、データの分析を踏まえた考察を行う。そして、適宜学会等の発表の場や投稿論文として研究成果を公表する。また、並行して行っている、数量詞に関する研究、項構造に関する研究も遂行する。現時点で、第二言語習得学会(6月)、MAPLL-TCP-TL-TaLK 2018(7月)、言語科学会(8月)、EuroSLA(9月)での学会発表が採択されている。
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