2017 Fiscal Year Annual Research Report
食べ方や食前の運動が消化吸収,代謝,食欲に与える影響
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17J08613
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
濱田 有香 早稲田大学, スポーツ科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 咀嚼 / 消化吸収 / 代謝 / 食欲 / 安定同位体 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は,研究1‐1(咀嚼回数が消化吸収,代謝,食欲に及ぼす影響)を行った. 普通体型の若年男性12名が実験に参加した.55 gのアーモンドを一口あたり5 gずつ,合計11口に分け,一口あたり10回,25回,40回咀嚼する試行(10回咀嚼試行,25回咀嚼試行,40回咀嚼試行)の3試行を別日にランダムな順序で行った.アーモンドの摂取後,100 mgの13C酢酸ナトリウムを溶解させた水を摂取し,食後3時間まで測定を行った.呼気サンプルの採取は食後15分毎に行った.赤外分光分析装置を用いて,採取した呼気サンプルの13CO2/12CO2比を測定し,呼気中13CO2排出率を算出した.呼気ガス分析装置にて,酸素摂取量を測定し,食後のエネルギー消費量を算出した.採血は食前および食後30分,1時間,2時間,3時間に行い,インスリン,遊離脂肪酸,中性脂肪,グルコースおよび食欲関連ホルモン(ペプチドYY,グレリン)を評価した.食前および食後30分毎に100 mmの視覚的アナログスケールにて,空腹感,満腹感,食欲,許容感を評価し,食欲スコアを算出した. 呼気中13CO2排出率は食後120分から180分まで10回咀嚼試行に比べ40回咀嚼試行で有意に高値を示したことから,40回咀嚼試行において,代謝が亢進することが示唆された.また,呼気中13CO2排出率が最大となる時間は,10回咀嚼試行で最も早かったことから,10回咀嚼試行の消化吸収の速度は25回および40回咀嚼試行よりも早まることが示唆された.食欲スコアは,食後90分から120分まで10回咀嚼試行よりも40回咀嚼試行で有意に低値を示したことから,40回咀嚼試行で食後における食欲の増加が抑制されることが示唆された. 以上のことから,咀嚼回数は消化吸収,代謝,食欲に影響を及ぼすことが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の研究実施計画のとおりに研究を実施できた.研究1‐1については,平成30年3月までにデータを収集し終えることができ,今後,データ解析および論文執筆を行う.また,研究1‐1の研究成果を,国際学会や国内学会で発表する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
研究1‐1のデータ解析を引き続き行う.8月までに論文投稿を行い,平成31年3月までの受理を目指す.研究1‐1の研究成果を,The 8th International Conference on Sports and Exercise Science(タイ,バンコク),The 17th Society of Chinese Scholars on Exercise Physiology and Fitness(台湾,台中),日本咀嚼学会第29回学術大会(長野)で発表する予定である. 研究1‐2(食べる速さが消化吸収,代謝,食欲に及ぼす影響)に関しては,4月より研究計画を行い,5月に倫理申請を行う.8月より,本実験を開始する予定である.データ解析後,論文執筆を行い,平成31年3月までの論文投稿を目指す. また,平成30年11月に研究2(運動が消化吸収,代謝,食欲に及ぼす影響)の内容を倫理委員会へ申請する.平成31年4月から実験を開始するため,被験者の募集など実験準備を行う.
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Research Products
(1 results)