2017 Fiscal Year Annual Research Report
若者の自殺リスク予測指標と求助行動促進システムの構築:学校・医療両面からの検討
Project/Area Number |
17J08676
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
北川 裕子 帝京大学, 医学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 自殺リスク / スクリーニング / アセスメント / 学校 / 医療機関 / タブレット端末 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究1】自殺リスク等の精神不調を伴う思春期の若者の援助希求行動を妨害/促進する要因の同定 【研究2】思春期の若者の自殺リスクと関連し、かつ若者が答えやすい/周りが判別しやすい要因・指標の同定 〈アンケート調査〉既に蓄積されている横断データを解析、論文執筆中。また自殺リスクを多変量活用により特定するため、機械学習を活用してリスク分類器の構築を進めている。縦断データについては、2017年6月に調査実施済み。2018年度調査を6月に実施。10年分の縦断データが収集される。〈受診患者の調査〉症例検討会や電子カルテの精査を進め、患者情報の収集を行い、解析準備を進めている。特に自殺企図直前のリスク因子の特定を行う予定である。帝京大学医学部の倫理委員会への審査申請書を提出中である。 【研究3】タブレット端末を活用した若者の精神不調スクリーニングツールの開発と有用性の検証 新潟県教育委員会からの要請があり、2018年度より全県で実施が決まっている。2017年度中は、学校教員、特に養護教諭が適切に端末を使用するための講演会、トレーニングを実施した。さらに、システムが大規模調査に耐えうるようにクラウド化し、大幅な改良を行った。上記に並行して、既に協力関係にある協力校で予備的に端末を使用してもらいシステムの改修を進めているところである。さらに、埼玉県教育委員会からの要請もあり、定期健康診断での精神保健スクリーニング実施を行うことが決まっている。健康診断用にツールを改良、調整しているところである。さらに、本ツールの使い方を説明するための映像作成を行った。自殺リスクの高い生徒への問診方法の提案等をしている。6月中に公開予定。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究1~3の課題について、概ね計画通りに進行している。今年度特に力を入れたのは、研究3である。スクリーニングツールの改修作業や、研究協力校の確保、実施の際のガイドとなる映像作成を行い、今年度から始まる大規模な調査の準備を整えた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度以降に蓄積されていく大規模なデータを活用し、自殺リスクを予測しうる諸要因の検討を行い、学校・医療現場での実践に寄与したいと考える。特に、新潟県、埼玉県の学校から得られるデータを活用し、自殺リスクを含む精神不調を特定・評価し早期に必要な支援の促進に寄与したい。さらに、医療機関(自殺企図による救命救急患者のカルテ情報)から得られる情報を解析し、自殺リスクの特定、特に直前のリスク因子についての解明を進めたい。
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[Journal Article] The association between changes in depression/anxiety and trajectories of psychotic-like experiences over a year in adolescence.2017
Author(s)
Yamasaki, S., Usami, S., Sasaki, R., Koike, S., Ando, S., Kitagawa, Y., Matamura, M., Fukushima, M., Yonehara, H., Foo, J. C., Nishida, A., Sasaki, T.
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Journal Title
Schizophrenia research
Volume: 195
Pages: 149-153
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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