2018 Fiscal Year Annual Research Report
構造的要因による高等教育中退メカニズムの実証――誘引・抑止の日本的特徴
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17J09053
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
下瀬川 陽 東京大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | 社会関係資本 / Student Integration モデル / 社会階層 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、申請時の検討課題(2)「Tinto(1987)が提示するメカニズムの妥当性の検討」を中心に研究を行った。昨年度から引き続き行っている、国外の既存研究の検討により、Tintoの提示したStudent Integration Modelは社会関係資本の概念を用いて捉えなおすことが可能であり、そうすることにより、これまで詳細に検討されてこなかった出身階層によるリスクの差という点にアプローチしやすくなると考えられた。本年度はこのようなアプローチの方針に基づき、以下のような活動を行った。 まず、現役の学生を対象として、2種類の調査を行った。ひとつは、昨年度調査の回答者を対象としたパネル調査の2回めである。昨年度の項目を多く引き継ぎつつ、対象者の出身階層についてより多く知ることのできる項目を追加した。いまひとつは、学生が利用可能な資本が埋め込まれていると考えられるネットワーク(個々人のつながり)について、対象となる集団全体について描き出すことのできるホールネットワーク調査データを収集するものである。なお、これらデータを利用した分析の結果の一部は本年度の学会大会において報告した。また、進行中で修正が必要なものについては、来年度以降の公表を予定している。 以上に加え、近年、国外において研究が蓄積されている、文化資本論との接続という観点からのStudent Integration Modelの再検討を日本においても試みるべく、分析を行い、その成果を報告した。 以上の成果から、日本の大学中退を説明するうえでもTintoが提示したStudent Integration Modelは導入可能な余地があることが示唆される。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)