2017 Fiscal Year Annual Research Report
Genome scale 4D atlas of gene expression in embryogenesis
Project/Area Number |
17J09326
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小嶋 泰弘 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
|
Keywords | トランスクリプトーム / 胚発生 / 機械学習 / zebra fish |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、zebra fishの胚発生時の胚全体のイメージングによる3次元動画像と空間的なアノテーションを持つ遺伝子発現量データとを対応づけることで、zebra fishの初期胚発生における遺伝子発現の連続的な時空間パターンを網羅的に推定することを目指している。この際、実際に観測される空間的なアノテーションを持った遺伝子発現量は、離散的な時間でのみ取得されているが、これらが、ガウス過程に従う時空間連続的な発現量から観測されると仮定することで、機械学習の手法であるガウス過程回帰の理論的枠組みを援用して推定を行う。 すでに、上記手法の実装は完了しており、その手法が正しく機能するかの検証に移っている。まず、シミュレーションにより空間的なアノテーションを持った遺伝子発現量データ生成し、そこから連続的な空間パターンの再構築することが可能かどうかを調べた。すると、シミュレーションデータの元となった真の発現パターンが復元されることが確認された。 次に、実際にzebrafishの受精後約6時間(動画像における時刻)の胚をスライスして得られたトランスクリプトームデータから遺伝子発現の空間パターンを推定することが可能であるかを確認した。すると、遺伝子gscについての推定結果が、データ元の論文と同様に当該遺伝子のin situ hybridization (ISH)によって実験的に確かめられた空間パターンと同様なものになっていることが確認された。また、ガウス過程のハイパーパラメータを各遺伝子について最適化を行ったところ、その結果から空間的に変動のある遺伝子とそうでない遺伝子とを区別できる可能性が示唆された。 現在は、二つの時刻の空間的なアノテーションを持った発現量データからその間の時刻の発現の空間パターンが再構築できるか、その検証を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、計画通りにアルゴリズムの実装とその検証が進行している。また、当初予測していなかった成果としては、最適化されたハイパーパラメータの値から空間的な分布の性質を見いだすことができる可能性が示唆された。研究は順調に進行していると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、複数の遺伝子について推定された空間パターンから各細胞の分類を行うことで細胞種に該当する集団を同定することを目指す。そして、時空間的な発現パターンから、それぞれの集団の発現量がどの時刻点で特徴的なものになるかを捉えることで、細胞種分化が起こる時空間点の推定を行うことを目指す。細胞種分化の時空間点を求めることで、その周辺で変動する遺伝子や動画像から得られる細胞の動きから細胞腫分化に関する新たな知見が得られることが期待される。
|
Research Products
(3 results)