2017 Fiscal Year Annual Research Report
ポリエンの生合成を担うII型様ポリケタイド合成酵素の機能解析
Project/Area Number |
17J09439
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
Du Danyao 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | 生合成 / II型ポリケタイド合成酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はポリエンの生合成を担う新規II型ポリケタイド合成酵素の機能解析を目的としている。 今回、Ishigamideの生合成を担う新規II型PKSの構成要素であるIga10 (acyl carrier protein)、Iga11 (ketoynthase)、Iga12 (chain length factor)、Iga13 (ketoreductase)、Iga16 (dehydratase)の機能解析に成功した。 in vitroでIga13とIga16の活性を調べたところ、Iga13はNADPHを補酵素とし、ケト基をR体の水酸基に還元する活性を示した。また、Iga16はR体の水酸基とtrans型二重結合の相互変換を触媒した。Iga11-Iga12複合体 (複合体としてのみ調製可能)をIga10、malonyl-CoA、hexanoyl-CoAと共に反応させたところ、3-oxooctanoyl-Iga10のみが生成した。このことから、Iga11-Iga12複合体は単独では一回の縮合反応のみを触媒することが明らかになった。最後に、IgaPKS全体の触媒反応を調べるために、Iga11-Iga12複合体、Iga10、Iga13、Iga16をmalonyl-CoAとhexanoyl-CoA、NADPHと共に反応させた。反応液をアルカリ処理し、Iga10に付いているポリケタイド鎖を加水分解し、LC-MS解析を行ったところ、4つの不飽和カルボン酸 (C8、C10、C12、C14) の生成が観察された。この結果から、Iga11-Iga12、Iga13、Iga16がそれぞれ触媒する縮合、還元、脱水の反応サイクルによりポリエン骨格が伸長していることが明らかとなった。本研究により、IgaPKSを含むII型PKS群を高還元型II型PKSサブファミリーとして提唱した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1. in vitroにおいて、ishigamideの生合成を担う高還元度II型PKS, IgaPKSの機能解析を完了し、その結果を学術論文として発表できた。 2. IgaPKS酵素群の相互作用を調べるための解析系の構築を進めており、iTCを用いてholo-ACPとKS-CLF複合体が相互作用していることを確認できた。 3. Spinamycinの生合成を担う酵素群のin vitro機能解析は難航しているが、spinamycin生合成中間体を一つ同定できた。また、spinamycin骨格中のN-N結合の形成に先立って、ポリエン骨格が形成されることが明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
1. iTCを用いて、IgaPKS酵素間(特にACPとKS-CLF複合体間)の相互作用を調べる。それにあたり、ケミカルプローブ有機合成し、one-pot酵素反応を利用し、異なるポリケタイド中間体と結合したACPアナログを調製し、iTC解析に供する予定である 2.Iga11-Iga12複合体のX線結晶構造解析を行い、触媒機能に重要な活性残基等を同定する。 3.異種発現等の手法を用いて、spinamycin生合成酵素群の活性を探索する
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Research Products
(3 results)