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2017 Fiscal Year Annual Research Report

RNA医薬のデリバリーを目的とした標的指向性RNA封入エキソソームの開発

Research Project

Project/Area Number 17J09513
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

山下 拓真  京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2017-04-26 – 2019-03-31
Keywords細胞外粒子 / ドラッグデリバリー
Outline of Annual Research Achievements

エキソソームは直径100nm程度の細胞外粒子であり、内因性の核酸デリバリーキャリアであることから、ドラッグデリバリーシステムへの応用が期待される。しかしながらエキソソームの血中滞留性が低いことがその実現の妨げになっている。そこで本研究では血中滞留性の高いエキソソーム画分の探索を目的として、モデル細胞としてはマウスメラノーマ細胞株B16BL6細胞を用い、培養上清中の細胞外粒子を詳細に分画した。その結果、エキソソームとは異なる粒子を発見した。この粒子をマウスに静脈内投与した結果、エキソソームと比較して長期に血中に残存した。これらの結果より、エキソソームとは異なるナノ粒子が培養上清中に存在し、これがエキソソームと比較して高い血中滞留性を持つことを見出した。
発見したナノ粒子について、基礎的な性質を評価した。脂質の存在を確認するため、表面にfluoresceinを結合させ、同時に脂溶性蛍光色素PKH26により染色した後サイズ排除クロマトグラフィーにより精製したサンプルを蛍光顕微鏡で観察した。その結果、それぞれの色素に由来する緑色と赤色の蛍光が共局在することが確認された。この結果から、ナノ粒子中に脂質が存在することが示された。また、ポリアクリルアミド電気泳動により粒子にタンパク質が含まれること、エキソソームとはタンパク質組成が異なることを確認した。核酸の存在やゼータ電位など、その他の組成や物性についても引き続き検討予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度においては血中滞留性の高いエキソソーム画分の分離を目的として、培養上清中の粒子を分画した。その結果、エキソソームと比較して投与後に血中から消失しにくい新規のナノサイズの粒子を分取することに成功した。この粒子はたんぱく質と脂質を含む粒子であることを示すデータを得ている。ただし細胞がこの粒子を分泌しているのかどうかについてはさらなる検討が必要である。最終目標であるドラッグデリバリーシステムへの応用についても、高い血中滞留性を持つ性質を利用することにより目的通り標的指向性を付与することができる可能性が期待できる。
総じて、当初の研究計画とは予定を変更した部分もあるが、血中滞留性の高いキャリアとなりうる粒子を発見したことにより目的通り標的臓器へのデリバリーを実現できる可能性を示しており、期待通り研究が進展したと考える。

Strategy for Future Research Activity

これまで小粒子の回収に当たっては、細胞にストレスを与えるトランスフェクション、回収される粒子に物理的なストレスがかかる工程などを含む回収法を用いてきたが、回収される粒子の性質を正確に評価するためにはストレスの少ない方法による回収が望ましい。そのためにこうした工程をなくす、あるいはより温和な方法に切り替えても小粒子が回収可能か検討する。
小粒子の性質について以下の項目について評価する。小粒子の物性についてはゼータ電位・粒子径測定を行う。タンパク質組成についてはすでにエキソソームとは異なることを確認しているが、さらにプロテオミクス解析によりタンパク質組成を明らかにする。また脂質についても脂質抽出を行い各種脂質の定量を行う。核酸については核酸抽出を行うことで存在を確認する。小粒子の体内動態についてもさらに検討する。具体的にはin vitroでは脂溶性蛍光色素PKH67を用いて各種細胞への取り込み能の評価を行い、in vivoでは昨年度と同様gLuc-LAタンパク質による修飾法を用い、血中滞留性に加えてイメージングによる体内動態解析を行う。
また、デリバリーキャリアとしての利用を念頭に、核酸の搭載方法を検討する予定である。同時に粒子への標的指向性の付与を目的に、リガンドとしてはメラノーマに高発現しているmelanocortin-1 受容体に結合するKPVペプチドを選択し、これの付加によるメラノーマへのターゲティングを試みる。

URL: 

Published: 2018-12-17  

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